manapedia
更新日時:
古文単語「ゐる/居る」の意味・解説【ワ行上一段活用】
著作名: 走るメロス
164,480 views
「ゐる/居る」の意味・活用・使用例【ワ行上一段活用】

このテキストでは、ワ行上一段活用の動詞「ゐる/居る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「ゐる」には
①居る
②率る
の用法があるが、ここでは「①居る」を扱う。
ワ行上一段活用

未然形ゐ
連用形ゐ
終止形ゐる
連体形ゐる
已然形ゐれ
命令形ゐよ


■意味1:自動詞

座る、腰を下ろす、しゃがむ。

[出典]:かぐや姫の昇天 竹取物語
「嫗抱きてゐたるかぐや姫、外に出でぬ。」

[訳]:おばあさんが抱いて座っているかぐや姫は、外に出てしまいました。


■意味2:自動詞

じっとしている、留まる、存在する。

[出典]:木の花は 枕草子
「唐土にことことしき名つきたる鳥の、選りてこれにのみゐるらむ、いみじう心ことなり。」

[訳]:中国で大げさな名前のついた鳥(鳳凰)が、選んでこれ(桐の木)ばかりにとまっているというのは、なみなみではなく別格である。




■意味3:自動詞

(ある場所に)
住む、住みつく、滞在する。

[出典]:殿などのおはしまさで後 枕草子
「何となくうたてありしかば、久しう里にゐたり。」

[訳]:何となくいやなことがあったので、長く里に滞在していました。


■意味4:自動詞

地位に就く。

[出典]:桐壷 源氏物語
「坊にも、ようせずは、この御子の居給ふべきなめりと、一の皇子の女御は思し疑へり。」

[訳]:皇太子にも、ひょっとしたら、この皇子がお就きになられるのかもしれないと、第一の皇子の女御はお思い疑いになっています。




■意味5:自動詞

怒りがおさまる。

※この用法の場合、「腹がゐる」の形で用いられる。
[出典]:生ずきの沙汰 平家物語
「梶原この詞に腹がゐて...」

[訳]:梶原は(佐々木四郎高綱の)この言葉で怒りがおさまって...


■意味6:自動詞

(かすみやほこりなどが)
かかる。

[出典]:蜻蛉日記
「水は、さながらありけり。ちりゐてあり。」

[訳]:(夫が以前使った)水は、そのままあった。(その上に)ほこりがかかっている。




■意味7:自動詞

(風や波が)
おさまる。

[出典]:一月十五日 土佐日記
「立てば立つ居ればまた居る吹く風と波とは思ふどちにやあるらむ」

[訳]:(風が)立てば(波も)立つ。(風が)おさまれば(波も)おさまる。風と波とは親しい者同士ではないのだろうか


■意味8:自動詞

(植物やつららなどが)
生える、生じる。

[出典]:女のひとり住む所は 枕草子
「池などある所も水草ゐ...」

[訳]:池などがある所にも水草が生え...


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。