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「ハンガリー」について調べてみよう
著作名: 早稲男
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ハンガリー

ハンガリー(英語ではRepublic of Hungary)は、中央ヨーロッパに位置する共和制国家です

このテキストでは、ハンガリーの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。

1.国土

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ハンガリーの国土は約93,000平方キロメートルに及び、これは日本の本州のおよそ1/4の広さです。内陸国であり、スロバキア、オーストリア、ルーマニア、セルビア、クロアチア、スロベニア、ウクライナと国境を接しています。国土の多くはパンノニア平原(Pannonian Plain)に位置しており、肥沃な土地が広がっているため、農業が盛んです。ドナウ川とティサ川という二大河川が流れ、国の重要な交通・経済の動脈となっています。首都はブタペストです。

気候は大陸性で、四季がはっきりしており、夏は暑く、冬は寒さが厳しくなります。平均気温は夏において25度、冬には零下5度前後です。


2.人口と人種

ハンガリーの人口は約970万人(2023年)です。人口は減少傾向にあり、高齢化が進行しています。ハンガリー人はマジャール人(Magyar)と呼ばれる民族が圧倒的多数を占めており、少数派としてはロマ(ジプシー)やドイツ系、スロバキア系の人々がいます。

都市化率は約72%で、首都ブダペストが最も人口密度の高い都市です。ブダペストは約175万人の人口を抱え、文化、経済、政治の中心地として機能しています


3.言語

ハンガリーの公用語はハンガリー語(マジャール語)です。ハンガリー語はウラル語族に属しており、ヨーロッパでは非常に独特な言語です。フィンランド語やエストニア語と同じ語族に属していますが、周辺のスラヴ語やゲルマン語、ラテン語と大きく異なっているため、ノンネイティブにとっては学ぶのが難しい言語とされています。

また、英語が教育現場やビジネスシーンで広く使われており、特に若い世代では英語を話す能力が向上しています。観光地ではドイツ語も頻繁に使用されており、ドイツとの強い経済的つながりを反映しています。


4.主な産業

主に工業、農業、サービス業が中心となっています。特に自動車産業が重要であり、アウディやメルセデス・ベンツ、スズキなどの大手自動車メーカーが工場を構えています。2023年のGDPは約1,700億米ドルに達しており、一人当たりのGDPは約17,000米ドルです。

農業では小麦やトウモロコシ、ひまわりなどが主要作物であり、特にワイン生産が世界的に有名です。トカイワインは「王のワイン」として知られ、17世紀から国際的に高い評価を受けています。さらに、IT産業や医薬品業界も成長を続けており、近年ではスタートアップ企業も増加しています。


5.主な観光地

首都ブダペストは特に多くの観光客を引きつけています。ブダペストは「ドナウの真珠」とも称され、世界遺産に登録されているブダ城やドナウ川岸の景観、国会議事堂がその美しさで知られています。温泉文化も豊富で、セーチェニ温泉やゲッレールト温泉などが地元の人々や観光客に愛されています。

また、バラトン湖は「ハンガリーの海」とも呼ばれ、夏季には多くの観光客が訪れます。湖沿いのリゾート地や、ハイキングが楽しめる周辺の丘陵地は、自然を満喫できる場所として人気です。

他にも、歴史的なエゲルの城塞や、文化都市として名高いペーチなど、ハンガリーの多彩な観光地は訪れる価値があります


6.文化

ハンガリーの文化は音楽、文学、美術など幅広い分野で世界的に評価されています。

音楽・美術

クラシック音楽では、リスト・フェレンツやバルトーク・ベーラといった作曲家が国際的に名を馳せています。また、民俗音楽も豊かで、ツィンバロムやヴァイオリンを使った伝統的な音楽が今もなお息づいています。

美術分野でも、19世紀末から20世紀初頭にかけてのアール・ヌーヴォー運動が特に重要であり、ブダペストにはその影響を受けた建築物が多く残っています。

文学

文学では、ノーベル文学賞受賞者のケルテース・イムレや、詩人アディ・エンドレが特に有名です。これらの作家は、ハンガリーの独自の歴史や国民性を深く描写しています。

食文化

ハンガリーの食文化は、豊かな歴史と多様な地理的影響を反映しています。特に中央ヨーロッパ、オーストリア、ドイツ、トルコ、スラブ諸国の食文化が融合し、独自の風味豊かな料理が生まれました。

グヤーシュ (Gulyás)

グヤーシュはハンガリーを代表する料理で、日本では「ハンガリー風スープ」として知られています。牛肉、玉ねぎ、ジャガイモ、パプリカをベースにしたスープで、長時間煮込むことで旨味が凝縮されます。グヤーシュは庶民の料理として長い歴史を持ち、特に寒い季節に温かい食事として愛されています。

パプリカーシュ (Paprikás)

パプリカーシュは、パプリカ粉を使ったシチューの一種で、特にチキンを使った「チキンパプリカーシュ」が有名です。鶏肉を柔らかく煮込み、クリーミーなサワークリームソースを絡めた料理で、ニョケッティと呼ばれる小さなダンプリングとともに提供されることが多いです。

ホルトバージ・パラチンタ (Hortobágyi Palacsinta)

ホルトバージ・パラチンタは、クレープ生地で作られたハンガリー風の巻物料理で、主に肉の詰め物が使われます。牛肉や鶏肉のフィリングにパプリカやサワークリームが加わり、独特のスパイシーでコクのある味わいが特徴です。

ランゴーシュ (Lángos)

ランゴーシュは、揚げパンの一種で、特に屋台や市場で人気の軽食です。揚げた生地の上にガーリックソースやサワークリーム、チーズをトッピングして食べます。シンプルながらも非常に満足感があり、観光客にも人気です。

ハラースレー (Halászlé)

ハラースレーは、魚を使ったスパイシーなスープで、特にドナウ川やティサ川沿いの地域でよく食べられます。川魚(主に鯉)を使い、パプリカをたっぷりと加えた濃厚なスープが特徴です。スパイシーで味わい深いこの料理は、魚料理が好きな人にはたまらない一品です。


7.スポーツ

ハンガリーはスポーツ大国としても知られており、特に水泳とフェンシングが強い国です。ハンガリーのオリンピック選手たちは、これらの競技で数多くのメダルを獲得しており、フェンシングではオリンピック金メダルを獲得することが珍しくありません。

また、サッカーも非常に人気があります。ハンガリー代表チームは1950年代に「マジック・マジャール」と呼ばれ、世界最強国として国際的に名を轟かせました。近年では、テニスやバスケットボールも若い世代に支持されています。


8.日本との関係

ハンガリーと日本は、経済、文化、教育など多方面で友好関係を築いています。特に経済面では、日本企業がハンガリーに多く進出しており、約150社の日本企業がハンガリーで事業を展開しています(2023年)。スズキがハンガリーに設置した自動車工場は、その代表例です。

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