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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / ギリシア世界

アイスキュロスとは わかりやすい世界史用語1009

著者名: ピアソラ
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アイスキュロスとは

古代ギリシアを代表する悲劇詩人、アイスキュロス(紀元前525年頃 - 紀元前456年頃)は、エレウシスを出生地とし、アテナイを主な活動拠点としました。後に「悲劇の父」という称号を得た彼は、ギリシア悲劇の基礎を築いた革新者でした。

豊かな家庭環境で育ったアイスキュロスは、早くから創作活動に没頭しました。紀元前499年に最初の作品を舞台に掛け、紀元前484年のディオニュシア祭で初優勝を果たしました。その後の創作活動は実り多く、通算13回もの優勝を収めることとなります。

現代に伝わる彼の作品は7編を数えます。中でも『オレステイア』三部作は、アガメムノン一族の運命を壮大に描き出した傑作として高い評価を受けています。また『テーバイ攻めの七将』や『縛られたプロメテウス』も、神と人間の関係性や、正義と復讐の問題を深く掘り下げた名作として知られています。

演劇の技術面でも、アイスキュロスは重要な革新をもたらしました。それまでの演劇は一人の俳優とコロスの掛け合いが中心でしたが、彼は複数の俳優を登場させることで、より立体的な劇展開を可能にしました。さらに、舞台装置や衣装にも創意工夫を凝らし、視覚的な表現力を高めることに成功しています。

彼の作品には、当時の社会情勢が色濃く反映されています。特にペルシア戦争は重要なモチーフとなっており、マラトンの戦いやサラミスの海戦に自ら従軍した経験が、『ペルシア人』などの作品に生かされています。この作品は、ペルシア戦争を題材とした唯一の現存ギリシア悲劇として、特別な価値を持っています。

アイスキュロスの芸術は、後続の劇作家たちに大きな影響を与えました。ソポクレスやエウリピデスといった著名な劇作家たちは、彼の教えを基礎としながら、独自の表現様式を確立していきました。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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