イスラエル国
イスラエル国(以下「イスラエル」、英語ではState of Israel)は、西アジア、地中海東岸に位置する共和制国家です。首都はテルアビブです。
このテキストでは、イスラエル国の特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。
1.国土
イスラエルの国土面積は約22,000平方キロメートルで、日本の四国ほどの大きさです。北はレバノン、北東はシリア、東はヨルダン、パレスチナ国のヨルダン川西岸地区、西はパレスチナ国のガザ地区、南西はエジプトと国境を接しています。地理的には北部のガリラヤ地方、中部の中央高原、南部のネゲブ砂漠、そして地中海沿岸の平野部など、多様な地形を有しています。
気候は地中海性気候で、温暖な冬と乾燥した暑い夏が特徴です。降水量は北部で多く、南部に向かうほど少なくなります。国土の約半分は砂漠気候であり、乾燥した土地が広がっています。
2.人口と人種
2023年のイスラエルの人口は約980万人です。(イスラエル中央統計局)ユダヤ人が人口の約74%を占め、アラブ人が約21%、その他が約5%です。
ユダヤ人は、世界各地から帰還した人々で構成されており、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系などその出自は多岐にわたります。アラブ人は、主にパレスチナ系住民であり、イスラエル国内に居住しています。その他には、ドゥルーズ派、キリスト教徒、ベドウィンなどが含まれます。
3.言語
イスラエルの公用語は、ヘブライ語とアラビア語です。ヘブライ語は、ユダヤ人の間で用いられてきた言語で、現代イスラエルにおいて復活しました。アラビア語は、アラブ系住民の間で用いられています。
英語も広く使用されており、ビジネスや教育の現場でよく用いられます。その他、ロシア語、イディッシュ語、アムハラ語など、様々な言語が話されています。
4.主な産業
イスラエルは、技術革新が盛んな国であり、「スタートアップ国家」として知られています。主な産業は、ハイテク産業、軍事産業、農業、観光業などです。
ハイテク産業は、ソフトウェア開発、通信、医療機器、人工知能など、多岐にわたります。軍事産業は、高度な技術力を背景に、国内外に兵器や防衛システムを輸出しています。農業は、乾燥地での灌漑技術や品種改良が進んでおり、輸出も盛んです。観光業は、歴史的な遺跡や美しい自然景観を誇り、多くの観光客が訪れます。
5.主な観光地
イスラエルには、歴史的な遺跡や宗教的な聖地、美しい自然景観など、多くの観光地があります。
■エルサレム
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であり、嘆きの壁、聖墳墓教会、岩のドームなど、数多くの重要な宗教的建造物があります。
■テルアビブ
地中海沿岸の美しい都市であり、バウハウス様式の建築物群が世界遺産に登録されています。
■死海
塩分濃度が非常に高く、浮遊体験ができることで知られています。その高い塩分濃度とミネラル豊富な泥が美容や健康に良いとされています。
■マサダ
古代ユダヤ王国の要塞跡であり、ユダヤ人の抵抗の象徴となっています。
■ガリラヤ湖
イエス・キリストが活動した場所であり、キリスト教徒にとって重要な聖地です。
■ネゲブ砂漠
広大な砂漠地帯であり、ユニークな景観や古代遺跡があります。
6.文化
イスラエルは、ユダヤ教の伝統と現代的な文化が融合した多様な文化を持っています。音楽、演劇、文学、美術など、様々な分野で活発な活動が行われています。特に、フォークダンスの「ホラ」や、現代音楽シーンで活躍するアーティストが国内外で評価を受けています。
食文化は、地中海料理をベースに、中東やヨーロッパの影響を受けています。フムス、ファラフェル、シャクシュカなどが代表的な料理です。
7.スポーツ
イスラエルでは、サッカー、バスケットボール、テニスなどが人気のスポーツです。サッカーは、国内リーグが盛んに行われており、国際試合でも活躍しています。バスケットボールは、ヨーロッパのトップリーグにも所属するチームがあります。また、オリンピックや国際大会にも積極的に参加し、柔道やフェンシングなどでメダルを獲得するなど、スポーツ分野での国際的な活躍も目立ちます。
8.日本との関係
日本とイスラエルは、1952年に国交を樹立して以来、友好的な関係を築いています。経済、文化、科学技術など、幅広い分野で交流が行われています。
近年では、ハイテク分野での協力が特に進んでいます。日本企業によるイスラエルのスタートアップ企業への投資や、共同研究開発プロジェクトなどが活発に行われています。
■経済協力
日本とイスラエルは、経済関係を強化するため、様々な取り組みを行っています。2019年には、日イスラエル間の経済連携協定(EPA)交渉が開始され、貿易・投資の拡大を目指しています。
また、日本は、イスラエルの技術革新力を活用するため、スタートアップ企業への投資を積極的に行っています。2017年には、日本政府が「日本・イスラエル・イノベーション・ファンド」を設立し、両国の企業間の共同研究開発を支援しています。
■安全保障
日本とイスラエルは、安全保障分野でも協力関係を深めています。両国は、テロ対策やサイバーセキュリティなど、共通の課題に取り組んでいます。(防衛省)
2015年には、両国間で防衛協力覚書が締結され、情報交換や共同訓練などが行われています。また、日本は、イスラエルが開発したミサイル防衛システム「アイアンドーム」の導入を検討するなど、安全保障分野での連携を強化しています。