ベトナムとは
ベトナムの歴史は、紀元前のドンソン文化に遡ります。この時代、ベトナム北部の紅河デルタ地域には、ラック族と呼ばれる人々が住んでいました。彼らは高度な青銅器文化を持ち、特にドンソン文化の青銅製のドラムは有名です。
中国支配時代
紀元前111年から紀元938年まで、ベトナムは中国の支配下にありました。この期間は三度の中国支配期に分かれます。最初の支配期は紀元前111年から紀元40年までで、次に40年から544年、そして最後に602年から938年までです。この間、ベトナム人は度々反乱を起こし、特に40年の徴姉妹の反乱は有名です。
独立王朝時代
938年、ゴー・クエンが白藤江の戦いで中国の南漢軍を破り、ベトナムは独立を果たしました。その後、ディン朝、前黎朝、李朝、陳朝、胡朝と続きます。この時代、ベトナムは文化的にも経済的にも発展し、特に李朝と陳朝の時代には仏教が隆盛を極めました。
フランス植民地時代
19世紀後半、フランスはベトナムを植民地化し、1887年にはフランス領インドシナが成立しました。この時代、ベトナムはフランスの支配下で経済的に発展しましたが、同時に民族主義運動も高まりました。第二次世界大戦中、日本がベトナムを占領しましたが、戦後フランスが再び支配を試みました。
ベトナム戦争と統一
1945年、ホー・チ・ミンがベトナム民主共和国の独立を宣言しましたが、フランスとの第一次インドシナ戦争が勃発しました。1954年のジュネーブ協定により、ベトナムは北緯17度線で南北に分断されました。その後、南北ベトナム間でベトナム戦争が勃発し、1975年に北ベトナムが勝利してベトナムは統一されました。
1976年、ベトナム社会主義共和国が成立しました。1986年にはドイモイ(刷新)政策が導入され、市場経済への移行が進められました。これにより、ベトナムは急速な経済成長を遂げ、現在では東南アジアの重要な経済国の一つとなっています。
ベトナムの歴史は、外部からの影響が大きく、さまざまな文化や政治的変動がこの国の発展に影響してきました。