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枕草子 原文全集「きよげなるをのこの」

著者名: 古典愛好家
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きよげなるをのこの

きよげなるをのこの、双六(すぐろく)を日一日うちて、なほあかぬにや、みじかき灯台に火をともして、いとあかうかかげて、敵(かたき)の、賽(さい)を責めこひて、とみにも入れねば、筒を盤のうへにたてて待つに、狩衣(かりぎぬ)のくびの、顔にかかれば、片手してをしいれて、こはからぬ烏帽子ふりやりつつ、

「賽いみじく呪ふとも、うちはづしてむや」


と、心もとなげにうちまもりたるこそ、ほこりかにみゆれ。
                               
                               
                           
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・枕草子 原文全集「きよげなるをのこの」

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松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社

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