カルヴァン主義とは
カルヴァンの主張したものの中で、最も後世へ影響を及ぼしたものが
予定説です。
予定説とは、救いが人々の意志や善行とは無関係で、最初から神によって決められているという説のことです。
これだけだと少し寂しいですが、カルヴァンは次のことも主張しました。
自分自身の仕事を、天から与えられたもの(=天職)として認識し、正当な方法で懸命に勤しんだ場合、蓄財を認めたのです。
それまでカトリックでは蓄財は卑しいものとして教えられていており、この予定説は新興の商工業者に大きく支持されるようになります。蓄財が宗教的権威によって認められたからです。
これが、カルヴァン主義が、近代ヨーロッパの礎を築いたと言われる理由です。カルヴァン主義は以後合理的な商工業を発展させ、近代ヨーロッパひいては資本主義への道筋を示したのです。
後世、このカルヴァン主義と近代ヨーロッパの関係性を論証した本が、マックス=ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」です。
後に旧教諸国の経済発展が遅れたのは、このカルヴァン主義への理解度の違いであったと言われています。
もう一つ、カルヴァン主義は
長老制度という教会制度を作り上げました。
カトリックのようにピラミッド構造の階層集団ではなく、牧師とその補佐をする信徒代表の長老で教会を統治する方式です。
カトリックの司祭(司教)に対して、プロテスタントでは牧師が信者を導きます。
各国のカルヴァン派
さて、カルヴァン派はその後ヨーロッパ各国へと広がって行きます。カルヴァン派は各地域によってさまざまな呼び方をされました。
ピューリタン
イングランドにおけるカルヴァン派のことを指します。彼らがのちのアメリカ合衆国成立に大きな役割を果たします。
プレスビテリアン(長老派)
スコットランドのカルヴァン派のことです。
教会組織の長老制度から名付けられました。
ユグノー
フランスのカルヴァン派のことで、「同盟者」という意味です。
ゴイセン
ネーデルラントのカルヴァン派で、「乞食」の意味です。当時宗主国スペインから独立しようとしていた新興商工業者がスペイン人から乞食と呼ばれたことに端を発します。
おわりに
以上がカルヴァン派の成立と広がりです。
近代の合理的なヨーロッパが、宗教改革によって始まったということは、とても興味深いですね。