はじめに
ドイツで始まった宗教改革は、次第にスイスやフランスへと波及して行きました。このテキストではフランスにおける宗教改革を見ていきましょう。
当時のフランスの状況
まず、当時のフランスの状況を見ていきましょう。
その頃フランスは
ヴァロワ朝で、幼い
シャルル9世が即位した直後でした。そのため、メディチ家出身で母后の
カトリーヌ=ド=メディシスが摂政として政治に介入していた時期でした。
また、国内には有力なブルボン家やギーズ家などの諸侯が存在し、王権は不安定な状態だったと言えます。
(摂政カトリーヌ=ド=メディシス)
プロテスタントの浸透
前述のような状態の中、ドイツのルターや、フランス出身でスイスで宗教改革を伝えたカルヴァンの思想がフランスにも伝わり、プロテスタントに改宗する人々が増え始めました。改宗した人々は
ユグノーと呼ばれ、カトリックとは明確に区別されました。その後都市の知識人や貴族たちも改宗し始め、有力貴族であった
ブルボン家がフランス国内におけるプロテスタントの盟主となります。
一方カトリック勢力も、百年戦争の英雄を輩出したギーズ家を中心として団結し、次第にカトリックとユグノーの対立が深まっていきます。