百済とは　わかりやすい世界史用語601

百済は、4世紀半ばから660年まで朝鮮半島南西部に存在した古代の王国です。百済は高句麗と新羅と共に、朝鮮半島の三国時代を形成しました。

百済の成立と初期の歴史
百済は、温祚によって建国されたとされています。温祚は高句麗の建国者である朱蒙の三男であり、彼の兄である沸流と共に現在のソウル地域に都を定めました。百済の名前は「百の郡を治める」という意味を持ち、初期の移住者たちを指していると考えられています。


百済の政治体制は、中央集権化された王国であり、王が最高権力を持っていました。特に234年から286年にかけて在位した古尓王は、六官と呼ばれる官僚制度を確立し、16階級の官位制度を導入しました。この制度により、百済は効率的な行政運営を行うことができました。


百済は660年に唐と新羅の連合軍によって滅ぼされました。最後の王である義慈王は、百済の首都である泗沘で敗北し、百済は統一新羅に併合されました。この敗北により、百済は歴史の舞台から姿を消しましたが、その文化と影響は現在も続いています。

百済は、朝鮮半島の歴史において重要な役割を果たした王国であり、その文化、政治体制、そして対外関係は、後の朝鮮半島の発展に大きな影響を与えました。百済の歴史を通じて、古代朝鮮の複雑な政治的・文化的背景を理解することができます。