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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / 古代オリエント世界

ギルガメッシュ叙事詩とは 世界史用語125

著者名: ピアソラ
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ギルガメッシュ叙事詩

ギルガメッシュ叙事詩は、古代メソポタミアの英雄王ギルガメッシュの冒険を描いた古代オリエント最古の叙事詩です。この叙事詩は、紀元前2100年頃から始まるシュメール語の詩から発展し、後にアッカド語に翻訳され、紀元前1300年から1000年頃に完成したと考えられています。現存する最も完全な版は、紀元前7世紀のアッシリア王アッシュールバニパルの図書館跡から発見された12枚の粘土板に書かれたもので、『深淵を見た者』や『すべての王にまさる者』という題名で知られています。この叙事詩は旧約聖書やギリシャ神話に影響を与えたといわれています。

ギルガメッシュ叙事詩の主な内容は、以下のように要約できます。

第1~2板:ギルガメッシュはウルクの王で、3分の2が神、3分の1が人間であった。彼は暴君として人々を苦しめていたので、神々は彼に対抗するために野人エンキドゥを創造した。エンキドゥは遊女シャムハトによって文明化され、ウルクに向かった。そこで彼はギルガメッシュと力比べをし、互いに力を認め合って友情を結んだ。
第3~5板:ギルガメッシュとエンキドゥは、杉の森の守護者である怪物フンババを倒すために冒険に出かけた。彼らはフンババと激しく戦い、神々の助けを借りてついに勝利した。彼らはフンババの首を切り落とし、杉の木を伐採してウルクに持ち帰った。
第6板:美の女神イシュタルはギルガメッシュの勇姿に惚れ込み、夫になってくれるように求めた。しかしギルガメッシュはイシュタルの移り気な性格を知っており、彼女の申し出を断った。イシュタルは怒って、父である天の神アヌに天の牛を送ってギルガメッシュを罰するように頼んだ。アヌはイシュタルの願いを聞き入れ、天の牛をウルクに放った。天の牛はウルクで大暴れし、多くの人々を殺した。ギルガメッシュとエンキドゥは力を合わせて天の牛を倒した。
第7~8板:神々はギルガメッシュとエンキドゥの行為に怒り、エンキドゥの死を決めた。エンキドゥは12日間の病気に苦しみ、死の床でギルガメッシュに別れを告げた。ギルガメッシュはエンキドゥの死に悲しみ、彼の遺体を埋葬するために葬儀を行った。
第9~11板:ギルガメッシュはエンキドゥの死によって、自分もいつか死ぬことを恐れるようになった。彼は永遠の命を求めて、世界の果てに住むという洪水の生き残りウトナピシュティムを探しに旅立った。彼は多くの困難を乗り越えてウトナピシュティムに辿り着き、彼に永遠の命の秘密を尋ねた。ウトナピシュティムは、かつて神々が人類を滅ぼすために洪水を起こしたとき、エア神の助言で箱船を作って生き延びたこと、そして神々が彼と妻に永遠の命を与えたことを語った。しかし、彼はギルガメッシュに永遠の命を与えることはできないと言った。彼はギルガメッシュに試練を与え、7日間眠らないことができれば永遠の命を得られると言った。しかし、ギルガメッシュはすぐに眠ってしまった。ウトナピシュティムはギルガメッシュに永遠の命を与えることはできないと告げ、彼を見送った。しかし、彼の妻はギルガメッシュに同情し、若返りの草の在り処を教えた。ギルガメッシュは若返りの草を探し出し、ウルクに帰る途中で泉で水浴びをした。そのとき、若返りの草を盗んだ蛇が現れた。蛇は若返りの草を食べて皮を脱ぎ捨て、若返って逃げていった。ギルガメッシュは若返りの草を失って悲嘆に暮れた。
第12板:ギルガメッシュはウルクに帰り、エンキドゥの霊に会うために魔術師に頼んだ。エンキドゥの霊は冥界の様子をギルガメッシュに語った。ギルガメッシュはエンキドゥの霊との再会に喜び、ウルクの城壁の美しさを誇った。叙事詩は、ギルガメッシュがウルクの城壁を見渡す場面で終わる。

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『世界史B 用語集』 山川出版社

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