米英戦争
さて、前回から少し話を戻し、19世紀はじめのヨーロッパでは、イギリスとナポレオン率いるフランスとの間に大きな戦争が起こっていました。
この戦争に、アメリカは関わっていなかったので、貿易で様々な利益を上げましたが、その後イギリスが海上封鎖をすると、順調だったアメリカの貿易に深刻なダメージを与えるようになります。
これを受けて、アメリカとイギリスの間に
米英戦争(1812~1814年)が起こります。ヨーロッパでのナポレオン戦争の終結によって講和が成立しましたが、この戦争中、大きな貿易相手国だったイギリスの商品がストップしました。
イギリスからの輸入品が来なくなった結果、アメリカ国内でさまざまな製品が生産されるようになり、最終的にアメリカの工業発展と経済的自立が進みました。イギリスからの経済的自立を果たしたという側面から、この米英戦争を
第二次独立戦争ともいいます。
また、その後のヨーロッパからの影響を危惧した
モンロー大統領は、ヨーロッパとの相互不干渉の立場を明確にした
モンロー宣言をだし、孤立主義政策を打ち出します。
このモンロー宣言は、モンロー主義とも言われ、その後西半球へのヨーロッパ諸国の干渉を牽制する汎アメリカ主義につながっていきます。また、これらは当時のアジア地域を対象としていませんでした。
ジャクソニアン=デモクラシー
さて、イギリスから自立したアメリカは、西部開拓とともに、国内の政治も発展していきます。
西部出身の
ジャクソンが大統領に就任すると、白人男性の普通選挙制、公立学校の普及など、社会的な平等を実現するため政策を行いました。
なぜ、白人男性の普通選挙なのかというと、この当時、インディアンの迫害や奴隷制が維持されていたからです。
(アンドリュー=ジャクソン)
ジャクソンは現在の20ドル札の肖像ですね。
これらは
ジャクソニアン=デモクラシーと言われ、アメリカの民主主義をさらに進めることになります。
この庶民のための政治を目指したジャクソン派は後に
民主党を結成し、反ジャクソン派は後に
ホイッグ党(後の共和党)を結成しました。