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シナ=チベット語族とは 世界史用語83

著者名: ピアソラ
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シナ=チベット語族とは

シナチベット語族とは、中国語とチベット・ビルマ語族という二つの大きな枝に分かれる言語の集まりです。世界で最も話者数の多い言語の系統のひとつで、約14億人がシナチベット語族の言語を話しています。そのうち、13億人は中国語(漢語)の話者で、残りはビルマ語やチベット語などのチベット・ビルマ語族の言語の話者です。シナチベット語族の言語は、中央アジア、東アジア、南アジア、東南アジアに広く分布しており、多様な文化や歴史を持っています。



シナチベット語族の起源や分類については、学者の間で意見が分かれています。19世紀初頭に、中国語とチベット語、ビルマ語という文明の言語に関係があることが提唱されました。その後、インド北東部や東南アジアの山岳地帯に住む少数民族の言語もシナチベット語族に含まれることが明らかになりました。しかし、これらの言語は非常に多様で、屈折や接辞などの共通の特徴が少なく、言語接触の影響も大きいため、比較言語学的な分析が困難です。また、多くの言語は文字がなく、記録や文献が乏しく、地理的にも政治的にもアクセスしにくい場所にあるため、十分な調査ができていません。

シナチベット語族の内部構造については、伝統的には中国語とチベット・ビルマ語族という二つの枝に分けられてきました。しかし、この分類は中国語の特殊性を反映したもので、チベット・ビルマ語族の言語が共通の祖先から派生したことを証明するものではありません。実際、チベット・ビルマ語族の言語は約40の小さなグループに分けられることができますが、それらの間の関係はまだ明らかになっていません。また、中国語の方言も単一の言語とみなすことはできず、実際には複数の言語に相当すると考えられます。

シナチベット語族の外部関係についても、さまざまな仮説が提案されていますが、いずれも広く受け入れられていません。タイ・カダイ語族やミャオ・ヤオ語族をシナチベット語族に含めるという主張は、中国の言語学者によって支持されていますが、国際的なコミュニティでは否定されています。また、オーストロアジア語族やオーストロネシア語族との関係を示唆する説もありますが、これらは早まった推測に基づいているとされます。さらに、北アメリカのアサバスカン語族などとの関係を主張する説もありますが、これは現在の知識では証明できないと考えられます。

シナチベット語族の言語は、世界の言語の中でも特に多様で興味深いものです。しかし、その多様性は、言語学的な研究や理解を難しくしています。
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・シナ=チベット語族とは 世界史用語83

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『世界史B 用語集』 山川出版社

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