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源氏物語『絵合』のあらすじを短くわかりやすく解説!

著者名: 走るメロス
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源氏物語『絵合』のわかりやすいあらすじ・主な登場人物の紹介

このテキストでは、源氏物語の第十七帖『絵合』(えあわせ)のあらすじを短くわかりやすく記しています。その他、主な登場人物などもまとめています。





絵合のあらすじ

斎宮(六条御息所の娘)が冷泉帝に入内し、女御となりました。斎宮は梅壺という部屋に住んだので、梅壺や梅壺の御方などと呼ばれるようになります。年上の梅壺に最初はなじめなかった冷泉帝ですが、絵という共通の趣味を通して心を通わすようになります。これに危機感を覚えたのは、梅壺よりも先に娘(弘徽殿女御)を入内させていた権中納言(元頭の中将)です。権中納言は負けじと絵を集め、冷泉帝の気が梅壺だけに向かないよう画策します。

若い頃から良き友でありライバルであった光源氏と権中納言(元頭の中将)が、今度は互いの娘(義娘)を通じて競い合うようになったのです。

宮中でも絵の良しあしを競い合うことが流行となり、ついには藤壺宮、そして冷泉帝の御前で梅壺対弘徽殿女御の絵合が催されることになりました。絵合とは、左右にわかれて、互いに絵を出し合ってその優劣を競い合う遊びです。梅壺方は竹取物語や伊勢物語といった古典的な物語の絵を好んだのに対し、弘徽殿女御方は宇津保物語や正三位(現在では失われた物語)といった当時としては今風の絵で対抗しました。両陣営の絵は甲乙つけがたく勝負はもつれましたが、最後に光源氏が出した須磨の絵日記の見事さが人々の心を打ち、梅壺方が勝利をおさめたのでした。

光源氏は絵合ののち、近い将来出家することであろうことを思い、お堂の建設を始めるのでした。




主な登場人物

光源氏(31歳春)



梅壺(斎宮)

六条御息所の娘。冷泉帝に入内し女御となり、梅壺と呼ばれる。


冷泉帝

今上天皇。世間的には故桐壺帝と藤壺宮の子とされているが、本当の父親は光源氏。絵という共通の趣味を通じて梅壺と心を通わす。


弘徽殿女御

権中納言(元・頭の中将)の娘。梅壺よりも先に入内し女御となる。梅壺に冷泉帝の気をひかれないよう、父親とともに絵の収集に余念がない。


権中納言

元・頭の中将。若い頃から光源氏の良き友でありライバル。今度は娘を通して競い合うことに。

朱雀院

冷泉帝が譲位する前の先帝。冷泉帝に入内する前の斎宮に惚れ込んでいたが、妻とすることは叶わなかった。入内後もその気持ちは変わらないようで、斎宮のために絵を贈った。




源氏物語とは

源氏物語は平安中期に成立した長編小説です。一条天皇中宮の藤原彰子に仕えた紫式部が作者とするのが通説です。


おすすめの書籍

あさきゆめみし

源氏物語は、文字で読むには非常に難解な物語だと思います。一人の人物を指す言葉が何パターンもあるというのが理由の一つです。例えば第一帖「桐壺」に出てくる

・男御子
・御子
・君
・若宮
・宮
・源氏の君
・光る君
・源氏

という言葉はすべて、光源氏のことを指しています。光源氏の初恋の相手である藤壺を指す言葉は「先帝の四の宮、后の宮の姫宮、藤壺、御方、宮、かかやく日の宮」、桐壺更衣をいじめる弘徽殿女御を指す言葉は「右大臣の女御、一の御子の女御、弘徽殿、御方、女御、弘徽殿の女御、春宮の女御」と、非常に多くの表現が用いられており、このことが源氏物語を読みづらくしている要因の一つだと思います。そこでお勧めなのが漫画でイメージを掴むことです。特にここで紹介するあさきゆめみしは、半世紀近く読み親しまれてきた漫画の決定版だと思います。

読むのが難解な源氏物語を、まずは漫画で気軽に感じてみてはいかがでしょうか。


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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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