ドラクロワとは
フェルディナン・ヴィクトル・ウジェーヌ・ドラクロワは、1798年4月26日、パリに生まれたフランス・ロマン主義を代表する画家です。リセ・ルイ・ル・グランでピエール=ナルシス・ゲランに師事し、『メデューズ号の筏』が有名な画家テオドール・ジェリコーを知りました。ドラクロワは古典美術や文学、特にバイロン卿やシェイクスピアの作品から影響を受け、水彩画を探求し、既成概念に反抗する姿勢で、表情豊かで情緒的な作品を制作しました。その後1863年8月13日、シャラントン・サン・モーリスで死去します。
民衆を導く自由の女神
『民衆を導く自由の女神』は、ドラクロワが、パリで起きた7月革命を記念して描いた油彩画で、国王シャルル10世からルイ=フィリップに交代した時代を知ることができます。ヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル』に登場する1832年の6月の乱の前兆とされることも多く、この絵は、革命の瞬間を描いたことにより、自由と正義のための闘いの不朽のシンボルとなりました。
当初この絵は、反乱の英雄的な場面を描いたものであったため、賛否両論だったといわれています。しかし、やがてドラクロワの代表作のひとつとなり、現在では七月革命と正義の反乱の思想の象徴とされています。