はじめに
このテキストでは、万葉集の第5巻に収録されている「
毎年に春の来たらばかくしこそ梅をかざして楽しく飲まめ」(八三三)の現代語訳・口語訳とその解説を記しています。この和歌は、平成の次の元号である「令和」(2019年5月1日〜)の由来となった万葉集『
梅花の歌三十二首并せて序』に収録された32首のうちのひとつです。
原文
(※1)毎年に 春の来たらば かくしこそ 梅をかざして 楽しく飲まめ
ひらがなでの読み方
としのはに はるのきたらば かくしこそ うめをかざして たのしくのまめ
現代語訳
毎年春がやってきたら、このように梅を(頭に)さして楽しく飲みましょう
解説
大令史野氏宿奈麻呂(=小野淑奈麻呂か)作の歌です。大伴旅人主催の梅花の宴にて詠まれた32首のひとつです。梅花の宴とは文字通り梅の花を題材とした歌を詠む会で、当時太宰府の長官であった大伴旅人を中心に開催されました。そのときに詠まれた32首にはすべて梅の花が含まれています。
単語・文法解説
(※1)毎年に | 「としのはに」と読む。「毎年」の意味 |