ボロブドゥールとアンコールワット
東南アジアの古代文明が残した遺跡の中でも、
ボロブドゥール寺院と
アンコール=ワット寺院は、区別がつきにくいのではないしょうか。
このテキストで、その違いをハッキリさせましょう。
ボロブドゥールとは
ボロブドゥールは、現在の
インドネシアにあります。
マレー人が
ジャワ島中部に興した
シャイレンドラ朝によって建立されました。
この寺院は、
大乗仏教の石造遺跡です。
6層に積み上げられた方形壇と3層の円形壇が重なりあったピラミッド型の建造物で、最上部に仏塔が立ち並んでいます。寺院を飾る仏像は、インドの
グプタ朝の影響を強く受けています。
■外観
■上部
アンコール=ワット
アンコールワットは、現在の
カンボジアにあります。
クメール人が興した
アンコール朝によって建立されました。
12世紀前半の
スールヤヴァルマン2世によって建設が始まります。
最初はヒンドゥー教寺院として建てられますが、14世紀になると
ジャヤヴァルマン7世により仏教寺院として使われるようになります。
堀に囲まれた3層の石造建築です。
最初はヒンドゥー教の寺院として建てられたため、内部には『
ラーマーヤナ』や『
マハーバーラタ』など、インドの叙事詩を元にした壁画が残っています。
隣接する地域にアンコール=トムという遺跡がありますが、これはアンコール朝の王都として、9世紀末から建築された別の遺跡です。これらを総称してアンコール遺跡という場合があります。
■外観
■内部
まとめ
では2つの遺跡の特徴を表にしてみます。
遺跡名 | 宗教 | 国 | 世紀 | 王朝 |
ボロブドゥール | 大乗仏教 | インドネシア(ジャワ) | 8〜9世紀 | シャイレンドラ朝 |
アンコール=ワット | ヒンドゥー教→大乗仏教 | カンボジア | 12世紀前半 | アンコール朝 |
2019年更新