チャンパーとは
チャンパーは、現在のベトナム中部と南部に存在した歴史的な王国で、2世紀から17世紀まで続きました。チャンパーは、オーストロネシア系のチャム人によって建国され、インド文化や宗教の影響を強く受けました。
チャンパーの成立
チャンパーは、2世紀にチャム人によって建国されました。彼らは、海上貿易を通じて繁栄し、特にインドや中国との交易が盛んでした。これにより、インド文化や仏教、ヒンドゥー教の影響を強く受けました。
宗教と文化の発展
チャンパーは、ヒンドゥー教と仏教の両方を受け入れました。特に、ヒンドゥー教の影響が強く、王国の多くの寺院や彫刻にその影響が見られます。例えば、ミーソン遺跡は、ヒンドゥー教の寺院群として有名であり、現在でもその壮大な建築と彫刻が残っています。
イスラム教の導入
17世紀になると、チャンパ王国はイスラム教を受け入れました。これは、アラブ商人との交易を通じて広まったもので、現在でも多くのチャム人がイスラム教を信仰しています。
ベトナムとの戦争と滅亡
チャンパ王国は、ベトナムの大越国との長い戦争の末、1471年に大越国によって征服されました。その後、チャンパーの残存勢力は南部のパンデュランガ地方に逃れましたが、1832年に最終的にベトナムに併合されました。
文化と遺産
チャム語はオーストロネシア語族に属し、独自の文字を持っています。チャム語は、ベトナム語やクメール語の影響を受けながらも、独自の発展を遂げてきました。
チャム人の宗教は地域によって異なります。カンボジアやマレーシア、タイ、南部ベトナム、海南島(中国)のチャム人の多くはスンニ派イスラム教徒です。一方、ベトナム中部のチャム人の一部は、カン・イマム・サン派やバニ・イスラム教、ヒンドゥー教、上座部仏教を信仰しています。