しるし/著し
このテキストでは、ク活用の形容詞「
しるし/著し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・ク活用
未然形 | しるく | しるから |
連用形 | しるく | しるかり |
終止形 | しるし | ◯ |
連体形 | しるき | しるかる |
已然形 | しるけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | しるかれ |
■意味1
はっきりしている、際立っている、顕著だ。
[出典]:
にくきもの 枕草子
「伊予簾など掛けたるに、うちかづきて、さらさらと鳴らしたるも、いとにくし。帽額の簾はまして、こはしのうち置かるる音、いと
しるし。」
[訳]:伊予の国産の簾(すだれ)などが掛けてあるのを、(くぐるときにそれを)頭にのせて、さらさらと音をたてさせるのも、たいそうしゃくに障る。帽額の簾はさらに、木端が敷居にあたる音が、たいそう
はっきりしている(ので耳に障る)。
■意味2
予想通りだ、思った通りだ、ぴったり合う。
※この用法の場合、多くが「〜もしるし」の形で用いられる。
[出典]:都遷り 方丈記
「世の乱るる瑞相とか聞けるもしるく...」
[訳]:世の中が乱れる前兆とか聞いたのも予想通りで...