いでたつ/出で立つ
このテキストでは、タ行四段活用の動詞「
いでたつ/出で立つ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
タ行四段活用
未然形 | いでたた |
連用形 | いでたち |
終止形 | いでたつ |
連体形 | いでたつ |
已然形 | いでたて |
命令形 | いでたて |
■意味1:自動詞
出てそこにたたずむ、出ていって立つ。
[出典]:
万葉集
「春の園紅にほふ桃の花下照る道に
出で立つをとめ」
[訳]:春の庭が紅色に美しく照り輝いています。桃の花が木の下まで美しく照り映えた道に
出てたたずむ少女よ。
■意味2:自動詞
出発する、出かける、旅立つ。
[出典]:
草加 奥の細道
「只身すがらにと
出で立ち侍るを...」
[訳]:ただ身ひとつでと
出発するのですがが...
■意味3:自動詞
身支度をする、準備する。
[出典]:富士川 平家物語
「刀にいたるまで、照り輝く程にいでたたれたりしかば...」
[訳]:刀にいたるまで、光り輝くほどに身支度なさったので...
■意味4:自動詞
出仕する、宮仕えに出る、出世する。
[出典]:少女 源氏物語
「この道より出で立ちたまへる上達部などは...」
[訳]:この方面から出仕していらっしゃる上達部などは...
■意味5:自動詞
わき出る、しきりに出る、こぼれ出る。
[出典]:浮舟 源氏物語
「涙ともすれば出で立つを...」
[訳]:涙がどうかするとしきりに出るのを...