いなぶ/否ぶ/辞ぶ
このテキストでは、古文単語「
いなぶ/否ぶ/辞ぶ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「いなぶ/否ぶ/辞ぶ」には
①バ行上二段活用
②バ行四段活用
の用法があるが、基本的に意味は同じである。
①バ行上二段活用
未然形 | いなび |
連用形 | いなび |
終止形 | いなぶ |
連体形 | いなぶる |
已然形 | いなぶれ |
命令形 | いなびよ |
■意味:他動詞
断る、拒む、辞退する、いやがる。
[出典]:
蓬莱の玉の枝 竹取物語
「この国に見えぬ玉の枝なり。このたびは、いかでか
いなび申さむ。さまもよき人におはす。」
[訳]:この国では見ることのできない玉の枝です。今回は、どうして
お断り申せましょう。(皇子は)身なりも良いお方でいらっしゃいます。
②バ行四段段活用
バ行四段活用のときの活用は以下の通り。
未然形 | いなば |
連用形 | いなび |
終止形 | いなぶ |
連体形 | いなぶ |
已然形 | いなべ |
命令形 | いなべ |
備考
「いなむ」と表記することもある。