やむ/止む
このテキストでは、古文単語「
やむ/止む」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「やむ」には
①止む
②病む
などがあるが、ここでは「①止む」を扱う。
①マ行四段活用
未然形 | やま |
連用形 | やみ |
終止形 | やむ |
連体形 | やむ |
已然形 | やめ |
命令形 | やめ |
■意味1:自動詞
止まる、中断する、やむ、死ぬ。
[出典]:
或者、子を法師になして 徒然草
「余りに物騒がし。雨
止みてこそ。」
[訳]:あまりにもせっかちだ。雨が
やんでから(にしたらよいではないですか)。
■意味2:自動詞
中止になる、(予期していたことが)起こらないで終る。
[出典]:古今和歌集
「斎院を代へられむとしけるを、そのことやみにければ、詠める。」
[訳]:斎院を交代なさろうとしたのですが、そのことは中止になったので、詠んだ(歌)。
■意味3:他動詞
(病気や苦痛が)
治る、治まる。
[出典]:
かぐや姫の生ひ立ち 竹取物語
「翁、心地悪しく、苦しきときも、この子を見れば、苦しきことも
やみぬ。」
[訳]:翁は気分が悪く、苦しいときも、この子を見ると、苦しいことも
おさまりました。
②マ行下二段活用
未然形 | やめ |
連用形 | やめ |
終止形 | やむ |
連体形 | やむる |
已然形 | やむれ |
命令形 | やめよ |
■意味1:他動詞
終わりにする、やめる、止める。
[出典]:心なしと見ゆる者も 徒然草
「上のおごり費やす所をやめ...」
[訳]:為政者がぜいたくをし浪費することをやめ...
■意味2:他動詞
(病気/癖などを)
治す。
[出典]:手習 源氏物語
「今はかばかりにて、いたはりやめたてまつりたまへ。」
[訳]:今はこの程度にして、病気を治して差し上げてください。