うけたまはる/承る
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
うけたまはる/承る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ラ行四段活用
未然形 | うけたまはら |
連用形 | うけたまはり |
終止形 | うけたまはる |
連体形 | うけたまはる |
已然形 | うけたまはれ |
命令形 | うけたまはれ |
■意味1:他動詞
(「受く」の謙譲語で)
お受けする。
[出典]:桐壷 源氏物語
「かしこき仰せ言をたびたび承りながら...」
[訳]:恐れ多いお言葉を何度もお受けしながら...
■意味2:他動詞
(「聞く」の謙譲語で)
伺う、お聞きする、拝聴する。
[出典]:
蓬莱の玉の枝
「かぐや姫の要じたまふべきなりけりと、
承りて。」
[訳]:かぐや姫がお求めになるはずであったと、
伺いました。
■意味3:他動詞
(「見る」の謙譲語で)
拝見する。
[出典]:宿木 源氏物語
「うけたまはりぬ。いと悩ましくて、え聞くこえさせず。」
[訳]:(お手紙を)拝見しました。たいそう具合が悪いので、(お手紙を)差し上げることができません。
■意味4:他動詞
お引き受け申し上げる、承諾申し上げる。
[出典]:
かぐや姫の昇天 竹取物語
「かくわづらはしき身にてはべれば、心得ずおぼしめされつらめども、心強く
承らずなりにしこと...」
[訳]:このように複雑な身の上でございますので、(帝は)納得できないとお思いになっておられるでしょうが、強情に(宮仕えを)
お引き受け申し上げなかったことを...