ひろぐ/広ぐ/拡ぐ
このテキストでは、古文単語「
ひろぐ/広ぐ/拡ぐ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「ひろぐ」には
①ガ行下二段活用
②ガ行四段活用
の用法がある。
①ガ行下二段活用
未然形 | ひろげ |
連用形 | ひろげ |
終止形 | ひろぐ |
連体形 | ひろぐる |
已然形 | ひろぐれ |
命令形 | ひろげよ |
■意味1:他動詞
広げる、あける。
[出典]:
若紫・北山の垣間見 源氏物語
「髪は扇を
ひろげたるやうにゆらゆらとして、顔はいと赤くすりなして立てり。」
[訳]:髪は扇を
広げたようにゆらゆらとして、顔は、(手で)こすってひどく赤くして立っています。
■意味2:他動詞
繁栄させる。
[出典]:薄雲 源氏物語
「なほ、この門を広げさせたまひて...」
[訳]:やはり、この一門を繁栄させて頂き...
②ガ行四段活用
未然形 | ひろが |
連用形 | ひろぎ |
終止形 | ひろぐ |
連体形 | ひろぐ |
已然形 | ひろげ |
命令形 | ひろげ |
■意味1:他動詞
(相手の行動をののしって)
〜しやがる、ほざく。
[出典]:
「うぢうぢひろがば、町中寄せて追ひ出す。」
[訳]:ぐずぐずしやがるならば、町中の者たちを呼び寄せて追い出すぞ。