あらはす/現す/表す/顕す
このテキストでは、サ行四段活用の動詞「
あらはす/現す/表す/顕す」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
サ行四段活用
未然形 | あらはさ |
連用形 | あらはし |
終止形 | あらはす |
連体形 | あらはす |
已然形 | あらはせ |
命令形 | あらはせ |
■意味1:他動詞
(目に見えていなかったものを)
はっきり示す、あらわにする。
[出典]:
祇園精舎 平家物語
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を
あらはす。」
[訳]:祇園精舎の鐘の音には、すべてのものは常に変化し、同じところにとどまることはないという響きがある。沙羅双樹の花の色は、盛んな者も必ず衰えるという道理を
示している。
■意味2:他動詞
打ち明ける、隠さずに話す。
[出典]:万葉集
「玉島のこの川上に家はあれど君を恥しみあらはさずありき」
[訳]:玉島のこの川上に私の家はあるのですが、あなたに対して恥ずかしいので打ち明けずにいました。
■意味3:他動詞
仏像などを新しく造る。
[出典]:今昔物語集
「仏菩薩の像をあらはし奉らむと願してありけるに...」
[訳]:仏菩薩の像をお造り申し上げようと祈願していたところ...