第三世界の多元化で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
第三世界の分化
・東西の対立以外に、北の豊かな先進諸国と、南の貧しい発展途上国が対立する
南北問題も世界の問題としてあがってきた。また、南の中でも、産油国や新興工業経済地域(NIES)などと最貧国の間の格差は、
南南問題と呼ばれる。
・
新興工業経済地域とは、1970年代以降に急速な工業発展を遂げた発展途上国のことで、
ブラジル・メキシコ・アルゼンチン・香港・台湾・韓国・シンガポールなどを指す。
・アジアでは、1967年に
インドネシア・マレーシア・シンガポール・フィリピン・タイの外相会議で
東南アジア諸国連合(ASEAN)が結成された。84年にブルネイ、95年にベトナム、97年にミャンマー・ラオス、99年にカンボジアが加わり、東南アジアのすべての国々が参加する
ASEAN10となった。
・ASEANは、1976年の東南アジア友好協力条約、1992年のASEAN自由貿易圏(AFTA)結成、これに日本・中国・韓国を加えた東アジア自由貿易圏構想、1996年以降開かれているアジア欧州会合(ASEM)、1997年のASEAN+日中韓首脳会議など存在感を増した。
・1989年には、アジア・太平洋地域の経済発展を目的として、
アジア太平洋経済協力会議(APEC)が発足した。これは、オーストリアの首相ホークより提唱された。
アラブ地域の分裂
・中東では、1967年6月に
第3次中東戦争(6日間戦争)が勃発し、先制攻撃した
イスラエルが6日間で
エジプト・シリア・ヨルダンを破った。この戦争の結果、イスラエルは
シナイ半島、ゴラン高原、ヨルダン川西岸、ガザ地区などを占領した。シナイ半島はその後エジプトの
サダト政権下の1979年に
キャンプ=デービッド合意で成立したエジプト=イスラエル平和条約により1982年に返還された。
・1973年10月には、エジプト・シリアがイスラエルに攻撃し、
第4次中東戦争がおこった。この戦争でもイスラエルが勝利したが、アラブ諸国が石油戦略を発動し、世界経済が混乱した。
・イスラエルはその後も
レバノン侵攻を行い、
アラファト率いる
パレスチナ解放機構(PLO)と対立が深まった。1991年に中東和平会議が開かれ、その後1993年にパレスチナ暫定自治協定が結ばれた。1995年には和平に反対する学生によりイスラエルの
ラビン首相が暗殺され、シャロンがあとを継いだ。
・1979年、イランで革命が起き、親米の
パフレヴィー2世が実権を失い、シーア派最高指導者の
ホメイニが権力を握る
イラン=イスラーム共和国が成立した。このイラン革命をきっかけに、
第2次石油危機がおこった。
・イラクでは1968年以降
バース党が政権を掌握し、1979年から
サダム=フセインの独裁体制が確立した。1980年から
イラン=イラク戦争がおこると、イランと対立していたアメリカはイラクを支援し、イラクが軍事大国となっていくきっかけを作った。
・1990年8月、イラクはクウェートの石油資源を狙い侵攻したため、
湾岸戦争がはじまった。この戦争ではイラク対多国籍軍が戦い、イラクの敗北により終わった。
・こうした状況の中、イスラーム復興運動やイスラーム原理主義が勃興し、エジプトのムスリム同胞団やアルジェリアのイスラーム救国戦線、アフガニスタンのターリバーンなど、
イスラーム過激派組織が生まれた。
第三世界の強権支配のおわり
・韓国では、独裁政治をおこなった
朴大統領が1979年に暗殺された。この暗殺後、光州の民主化運動を
全斗煥政権の軍が弾圧した
光州事件が発生し、反政府運動が高まった。反政府運動をうけて退陣した全斗煥に代わり、
盧泰愚が大統領となった。1990年に韓国とソ連は国交を樹立し、1991年に南北朝鮮は国連に同時加入した。また、その翌年中韓の国交が樹立され、台湾と断交した。その後、
金泳三・金大中・盧武鉉と大統領が変わった。
・台湾では、
李登輝が長年政権を掌握したが、2000年の総選挙で民進党が躍進し、
陳水扁が総統となった。
・インドネシアでは
スハルト大統領が長年の一族利権独占の批判をうけ1998年に辞任した。その後ハビビが就任したが成果がでず、2001年からスカルノの長女
メガワティが大統領となった。
・1997年に、タイ為替自由化をきっかけとして、アジア通貨危機がおこり、これを支援したIMFが各国に構造改革を求めた。
・フィリピンでは、1983年にマルコスの政敵で人気の高かった
ベニグノ=アキノがマニラ空港で暗殺され、国民の反マルコス感情が高まり、1986年のマルコス政権崩壊へとつながった。ベニグノの妻
コラソン=アキノは国民の支持を受け1986年に大統領となった。その後、
エストラーダ、アロヨと大統領が変わった。