余弦定理とは
△ABCにおいて、図のように"a、b、c"と"∠A、∠B、∠C"を定めたとき、次の定理が成り立ちます。
余弦(つまりコサイン)を使った定理なので、
余弦定理といいます。
ではこの余弦定理が本当に成り立つか証明してみましょう。
余弦定理の証明
余弦定理を証明するためには、△ABCにおいて次の3パターンを考える必要があります。
・∠Aと∠Bが
鋭角の場合
・∠Aが
鈍角の場合
・∠Bが
鈍角の場合
ここでは、「∠Aと∠Bが鋭角の場合」の証明をしていきます。
("
∠Aが鈍角の場合"、"
∠Bが鈍角の場合")
∠Aと∠Bが鋭角の場合
∠Aと∠Bが鋭角となる三角形を図示すると、このようになります。
この三角形で余弦定理を証明するために、次のように△ABCを座標上で考えるとします。
AとBの座標はそれぞれ"A(0,0)、B(c,0)"とわかりますが、Cの座標がぱっと見ではわからないので、まずはcの座標を求めるとします。
点Cからx軸に向かって垂線をおろし、x軸との交点をHとします。
このとき△ACHでサインとコサインを考えると
整理すると
整理すると
以上から、点Cの座標はC(b cosA,b sinA)であることがわかりました。
次に、△BCHに
三平方の定理を適応します。
BC²=CH²+BH²
・"BC=a"
・CHはCのy座標に等しいので、"CH=b sinA"
・BH=BA−HAより、"BH=c−b cosA"
a²=(b sinA)²+(c−b cosA)²
a²=b² sin²A+c²−2bc cosA+b² cosA²
a²=b²(sin²A+cosA²)+c²−2bc cosA
このとき、
三角比の公式より
"sin²A+cosA²=1"なので
a²=b²(sin²A+cosA²)+c²−2bc cosA
a²=b²+c²−2bc cosA
∠Bと∠Cにおいても同様にして公式を導くことができます。
以上から、∠Aと∠Bが鋭角の場合に余弦定理が成り立つことが証明されました。
次のテキストでは、
∠Aが鈍角の場合の証明をしていきます。