絶対値の性質
ここでは、次の4つの絶対値の性質を証明しています。
xを実数とするとき
・
|x|≧0
・
|x|≧x
・
|x|≧−x
・
|x|²=x²
|x|≧0の証明
x≧0、x<0の2通りにわけて考えます。
■x≧0のとき
x≧0のとき、どんな実数でも
|x|=x
となります。"x≧0"なので、
|x|=x≧0 ・・・①
が成り立ちます。
■x<0のとき
x<0のとき、どんな実数でも
|x|=−x
となります。"x<0"なので、
−xはプラスですね。
このことから、
|x|=−x>0 ・・・②
が成り立ちます。①と②をあわせて、どんな実数xについても"|x|≧0"が成り立つことがわかりました。
|x|≧xの証明
x≧0、x<0の2通りにわけて考えます。
■x≧0のとき
x≧0のとき、どんな実数でも
|x|=x ・・・①
"|x|≧x"の等号が成り立っているので、x≧0のとき"|x|≧x"が成り立つといえます。
■x<0のとき
x<0のとき、どんな実数でも
|x|=−x
となります。x<0なので、"−x>0"ですね。このことから、
|x|=−x>0 ・・・②
①と②をあわせて、どんな実数xについても"|x|≧x"が成り立つことがわかりました。
|x|≧−xの証明
x≧0、x<0の2通りにわけて考えます。
■x≧0のとき
x≧0のとき、どんな実数でも
|x|=x
となりますが、
x≧0のときは必ず、"x≧−x"となりますよね。
よって
|x|=x≧−x ・・・①
■x<0のとき
x<0のとき、どんな実数でも
|x|=−x ・・・②
となります。"|x|≧−x"の等号が成り立っているので、x<0のとき"|x|≧−x"が成り立つといえます。
①と②をあわせて、どんな実数xについても"|x|≧−x"が成り立つことがわかりました。
|x|²=x²の証明
x≧0、x<0の2通りにわけて考えます。
■x≧0のとき
x≧0のとき、どんな実数でも
|x|=x
となるので、両辺を2乗してもその等式は成り立ちます。
|x|²=x²
■x<0のとき
x<0のとき、どんな実数でも
|x|=−x
となります。両辺を2乗すると、
|x|²=(−x)²=x²
以上から、どんな実数xについても"|x|²=x²"が成り立つことがわかりました。