実践で使える問題を通して理解を深めてみよう
2つの関数f(x)=|x+3|,g(x)=|x-3|について、次の問題を答えよ。
(1)f(0),g(2)のときの値を求めよ
さて、(1)f(0),g(2)のときの値とのことであるが、ダイレクトにxに与えられた値を入力すればよい。
●f(0)のときは、f(x)=|x+3|にx=0を代入して
f(0)=|0+3|=3
●同じようにg(2)のときは、g(x)=|x-3|にx=2を代入して
g(2)=|2-3|=|-1|=1
を求めることができる。
(2)-3≦x≦3のとき、f(x)とg(x)の絶対値の記号をはずせ
絶対値の問題で範囲が与えられたときは、数パターンにわけて答える必要があると思ってもらってよい。というのも、例えばこの問いで与えられた|x+3|と|x-3|は、
絶対値をはずすときに、xの値によってプラスなのかそれともマイナスになるか変わってくるからである。
|x+3|と|x-3|の絶対値をはずすときにどちらもプラスとなる場合、|x+3|と|x-3|の絶対値をはずすときにどちらもマイナスとなる場合、どちらが一方がプラスでどちらか一方がマイナスになる場合とさまざまな可能性を考えなければならない。
この問題場合、与えられた-3≦x≦3がヒントになってくるのだが、
-3≦xと
x≦3より次のことが言える。
0≦x+3、
x-3≦0
0≦x+3ということは、|x+3|の中はプラスなので、
f(x)=|x+3|=x+3
x-3≦0ということは、|x-3|の中はマイナスなので、
g(x)=|x-3|=-x+3
f(x)=x+3、g(x)=-x+3が答えとなる。
(3)k(x)=f(x)+g(x)とする。k(x)を絶対値をはずして表せ
(2)と同じように、数パターンにわけて考える必要がある。理由は(2)と同じであるが、今度はxの範囲が与えられていない。このようなときはどうして解けばよいのか。ヒントは問題文の中に与えられている。
f(x)=|x+3|、
g(x)=|x-3|
なので、f(x)とg(x)の絶対値をはずすときに、xがどのような値をとるとプラスになり、マイナスになるのかをそれぞれ考えてみる。
|x+3|を見ると、絶対値をはずすときにプラスかマイナスになるかは、x=-3がポイントになってくるのがわかる。同じように|x-3|の絶対値をはずすときにもx=3がポイントになってくることがわかる。これらのことから
x<-3、-3≦x<3、3≦xの3パターンについて考えればよいと推測をする。
■(a)x<-3のとき
x<-3のとき、
x+3<0、かつ
x-3<0(
*)なのでf(x)とg(x)の絶対値をはずすときはどちらもマイナスとなる。
f(x)=|x+3|=-(x+3)=-x-3
g(x)=|x-3|=-(x-3)=-x+3
以上のことから
k(x)=f(x)+g(x)=-x-3-x+3=-2x
(
*)
x-3<0がなぜこうなるかわからない人は次のように考えてみよう。もともとxの値が-3よりも小さいということは、それよりもさらに-3をするとかならず0よりも小さくなると。
■(b)-3≦x<3
-3≦x<3のとき、f(x)とg(x)の値はどうなるだろうか。先ほどと同じ理由で(*参照)|x+3|の中はプラスに、そして|x-3|の中はマイナスになることがわかる。
f(x)=|x+3|=x+3
g(x)=|x-3|=-(x-3)=-x+3
以上のことから
k(x)=f(x)+g(x)=x+3-x+3=6
■(c)3≦x
3≦xのとき、f(x)とg(x)の値はどうなるだろうか。|x+3|、そして|x-3|の中はどちらもプラスになる。このことから
f(x)=|x+3|=x+3
g(x)=|x-3|=x-3
以上のことから
k(x)=f(x)+g(x)=x+3+x-3=2x
●答え
・k(x)=-2x(-3<xのとき)
・k(x)=6(-3≦x<3のとき)
・k(x)=2x(3≦xのとき)