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14_80 高次方程式 / 剰余の定理と因数定理

テストによく出る剰余の定理の問題一覧・まとめ

著者名: ふぇるまー
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剰余の定理の練習問題

ここでは、剰余の定理に関する様々な形の問題の解説をしています。あなたがわからないタイプの問題もきっと扱っているはずです。

問題1

整式"P(x)=2x³+3x²−ax+1"を( x−1)で割ったときの余りが"3"となるような定数aの値を求めてみましょう。


整式P(x)をx−1で割ったときの余りRが、"R=P(1)"となるのが剰余の定理でした。

問題の、P(x)をx−1で割ったときの余りが3ということより

P(1)=3

という式が成り立ちます。

P(1)=2・1+3・1−a・1+1=3
2+3−a+1=3
6−a=3
a=3

以上より、題意を満たすaの値は、a=3


問題2

整式P(x)を、x−1で割ると3余り、x+2で割ると−6余る。このとき、P(x)を(x−1)(x+2)で割ったときの余りを求めてみましょう。


P(x)を(x−1)(x+2)で割ったときの商をQ(x)、余りをRとしましょう。すると

P(x)=Q(x) (x−1)(x+2)+R ー①

が成り立ちます。
ここでポイントとなるのは、Rをどう表現するかです。整式の割り算を思い出してほしいのですが、整式を2次式で割ったときの余りは、必ず、1次式か定数となります。例えば

(4x³+x²+2x−3)÷(x²+x+1)


の余りは"x"ですが、これも、2次式で割っているので余りが1次式か定数となっていることを示しています。これを総じて考えると、2次式で割ったときの余りRは、"ax+b"とおくことができるんですね。ここ、かなり重要です。

このことから①式は、

P(x)=Q(x) (x−1)(x+2)+ax+b

となります。あとは題意より"P(1)=3、P(−2)=−6"なので

P(1)=a+b=3 ー②
P(−2)=−2a+b=−6 ー③

②と③より"a=3、b=0"が求まります。
このことから、求める余りはR=ax+b=3xとなります。


問題3

P(x)=x³+ax²+bx+2がx−1で割り切れて、x+2で割ると余りが−12となるように、定数aとbの値を求めてみましょう。


剰余の定理を用います。割り切れるということは余りが0ということなので、"P(1)=0"となります。

P(1)=1+a+b+2=0
a+b+3=0
a+b=−3 ー①


x+2で割ったときの余りが−12なので、"P(−2)=−12"となります。

P(−2)=(−2)³+a(−2)²+b(−2)+2=−12
−8+4a−2b+2=−12
4a−2b=−6
2a−b=−3 ー②

①と②より"a=−2、b=−1"が求まります。


問題4

整式P(x)を"x²+3x+2"で割ると余りは"x+1"、"x²+7x+12"で割ると余りは"2x+3"です。このときP(x)を"x²+5x+6"で割ったときの余りを求めてみましょう。


"x²+3x+2"を因数分解すると"(x+1)(x+2)"
"x²+7x+12"を因数分解すると"(x+3)(x+4)"
"x²+5x+6"を因数分解すると"(x+2)(x+3)"

何か関係がありそうですね。とりあえず頭の片隅にいれておきましょう。

では1つずつ問題を小分けにして考えていきます。
まず整式P(x)を"x²+3x+2"で割ったときの商をQ(x)とすると

P(x)=Q(x) (x²+3x+2)+x+1
P(x)=Q(x) (x+1)(x+2)+x+1

となります。"x²+3x+2"を因数分解した"(x+1)(x+2)"と、"x²+5x+6"を因数分解した"(x+2)(x+3)"とでは、(x+2)が共通した値なので、x=ー2のときのP(x)の値を求めておきます。

P(−2)=Q(−2) (−2+1)(−2+2)+−2+1=−1
P(−2)=−1


続いて整式P(x)を"x²+7x+12"で割ったときの商をQ'(x)としましょう。すると

P(x)=Q'(x) (x²+7x+12)+2x+3
P(x)=Q'(x) (x+3)(x+4)+2x+3

"x²+7x+12"を因数分解した"(x+3)(x+4)"と、"x²+5x+6"を因数分解した"(x+2)(x+3)"とでは、(x+3)が共通した値なので、x=ー3のときのP(x)の値を求めておきます。

P(−3)=Q'(−3) (−3+3)(−3+4)+2(−3)+3=−3
P(−3)=−3


そして整式P(x)を"x²+5x+6"で割ったときの商をQ''(x)、余りを"ax+b"としましょう。(余りがなぜax+bとおけるかがわからない人は、「問題2」を参照してください。)すると

P(x)=Q''(x) (x²+5x+6)+ax+b
P(x)=Q''(x) (x+2)(x+3)+ax+b

とおくことができます。
先ほど"P(−2)=−1,P(−3)=−3"を求めてあるので、これらを用いて計算をしていきます。

P(−2)=Q'(−2) (−2+2)(−2+3)+a(−2)+b
P(−2)=−2a+b=−1 ー①


P(−3)=Q'(−3) (−3+2)(−3+3)+a(−3)+b 
P(−3)=−3a+b=−3 ー②


①、②より"a=2、b=3"が求まるので、余りは2x+3となります。

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2013 数学Ⅱ 東京書籍
2013 数学Ⅱ 数研出版

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