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18_80 諸地域世界の交流 / 陸と海のネットワーク

東西交流の歴史(草原の道、絹の道、海の道など) 受験対策問題 50

著者名: レキシントン
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陸と海のネットワークで押さえておきたいポイント

※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。

草原の道

・南ロシアの草原地帯から、カザフの草原地帯・アルタイ山麓・モンゴル高原をつなぐ東西交通路を草原の道(ステップ=ロード)といい、古くから騎馬遊牧民が活躍した。

・騎馬遊牧民の始まりは、紀元前6~紀元前4世紀に活躍したスキタイであった。スキタイ文化は動物模様と黄金の使用がその特徴だが、これが南ロシア・モンゴル・シベリアに波及し、スキト=シベリア文化が形成された。

・紀元前4世紀末~紀元後1世紀のモンゴル高原には、スキタイの文化を取り入れ強大化した匈奴(トルコまたはモンゴル系)が活躍した。4世紀末に中国に侵入し北魏を建てた鮮卑(モンゴルまたはトルコ系)、その後北魏と対立した柔然(モンゴル系)、6世紀以降中国北方に侵入した突厥(トルコ系)、8世紀以降唐を圧迫したウイグル(トルコ系)、4世紀~5世紀にヨーロッパに侵入したフン族(系統不明)、アヴァール人(モンゴル系)、マジャール人(ウラル語族)などが代表的な騎馬遊牧民である。

オアシスの道

・中国の洛陽・長安・東西トルキスタン・イラン高原北部・メソポタミア・地中海東岸を結ぶルートはオアシスの道と呼ばれる。オアシスの道の別称として、絹の道(シルク=ロード)があるが、これは後年にドイツの地理学者リヒトホーフェンが命名した。

・このルートではオアシス都市が重要な中継地点となり、隊商交易が盛んに行われ、ソグディアナで活躍したソグド商人は、ソグド語ソグド文字を使用し、後にウイグル文字・モンゴル文字・満州文字の元となった。

・西方ではアケメネス朝ペルシアアレクサンドロス大王の東方遠征の舞台となり、ヘレニズム文化が形成された。また、東方では、前漢武帝張騫を派遣してはじまった西域進出、後漢班超による西域経営、唐の西域経営などが行われた。

海の道

・紅海・アラビア海・インド洋・マレー・スマトラ・インドシナ半島・中国南部をつないだ海上ルートを海の道と呼ぶ。

・海の道では季節風貿易が盛んとなり、『エリュトゥラー海案内記』に当時の様子が描かれている。8世紀以降は、ムスリム商人が広州や泉州に入港し、積極的な交易を行うようになった。

・海の道を舞台として繁栄したのが港市国家で、扶南・チャンパー・シュリーヴィジャヤ王国・マラッカ王国・アユタヤ朝・アチェ王国・バンテン王国・サータヴァーハナ(アーンドラ朝)・スリランカ・シドン・ティルスなどが代表的な国家である。

東アジアの交易圏

・10世紀以降、東アジアでは中国商人がジャンク船を利用し積極的な交易活動を行った。海の道は別名陶磁の道とも呼ばれ、多くの陶磁器が西方に運ばれた。

・中国・日本・朝鮮を結ぶ交易圏を東シナ海交易圏といい、中国と東南アジア・インド洋を結ぶ交易圏を南シナ交易圏という。ここでは、マニラ・マカオ・バタヴィア・広州・泉州・揚州・杭州・明州・厦門などの都市が拠点となり、唐代から明代には市舶司居留地が設けられた。

の第3代皇帝永楽帝は、イスラーム教徒の宦官鄭和に南海遠征を行わせ、以降南海貿易が活発化した。その後明が倭寇による密貿易や銀不足の対策として海禁を行い海洋交易を統制した。

・14世紀後半には、琉球王国が明の冊封をうけ、都那覇を中心に朝貢貿易を行った。日本でも、室町幕府の時代に日明貿易(勘合貿易)が行われ、朱印船が活躍した。

インド洋交易圏

・インド洋中心に、ペルシア湾から中国まで至った交易圏をインド洋交易といい、8世紀からダウ船に乗ったイスラーム商人を中心に交易が行われ、バスラ・シーラーフ・カンバーヤ・スーラト・カリカット・クイロンなどの港市が栄えた。11~15世紀にかけて、アイユーブ朝からマムルーク朝の時代にカーリミー商人が活躍し、カイロ・アレクサンドリア・アデンなどの都市が栄えた。ウマイヤ朝時代に作られたディルハム銀貨ディナール金貨がこの交易圏で用いられた。

地中海交易圏

・11世紀以降、ジェノヴァ・ヴェネツィア・ピサなどの北イタリア諸都市と、地中海沿岸やエジプト諸都市を結んだ交易圏を地中海交易圏という。

・地中海交易圏は、十字軍遠征をきっかけにはじまり、北イタリア諸都市が、ビザンツ帝国・アイユーブ朝・マムルーク朝などを取引相手に、香辛料・宝石・絹織物と、毛織物・木材・奴隷を売買した。この際、ユダヤ商人が仲介に入ることも多かった。

東西交流の結果

・アレクサンドロス大王の東方遠征により生まれたヘレニズム文化は、バクトリアを経てインドでガンダーラ文化を生み、その後オアシス都市を通じて中国や日本にも影響を与えた。

・東西交流で様々な宗教が各地に伝わった。ササン朝で成立したマニ教はシリア・エジプト・ヨーロッパ・トルキスタン・中国に伝わり、ウイグル人に信仰された。アラビア半島で成立したスラーム教イは、ムスリム商人により各地に広がり、中国では回教・清真教と呼ばれた。インドで成立した仏教は大乗仏教中国・朝鮮・日本に伝わった。イランで成立したゾロアスター教は、南北朝時代の中国に伝わり、祆教とよばれ、431年のエフェソス公会議で異端となったネストリウス派キリスト教唐代の中国に伝わり、景教と呼ばれた。

・東西を結ぶ交易路が開かれると、さまざまな交易品が各地にもたらされた。絹・馬・葡萄・ガラス・銅銭・象牙・香辛料・香料・茶・砂糖・綿布・陶磁器(青磁・白磁)・紙・火薬・羅針盤・印刷術などが代表例である。
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・東西交流の歴史(草原の道、絹の道、海の道など) 受験対策問題 50

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『世界史B 用語集』 山川出版社
『世界史B 教科書』 山川出版社

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