新規登録 ログイン

9_80 その他 / その他

枕草子 原文全集「よろづのことよりも」

著者名: 古典愛好家
Text_level_1
マイリストに追加
よろづのことよりも、情けあるこそ

よろづのことよりも、情けあるこそ、男はさらなり、女もめでたくおぼゆれ。なげのことばなれど、せちに心にふかく入らねど、いとほしきことをば

「いとほし」


とも、あはれなるをば

「げにいかに思ふらむ」


などいひけるを伝へて聞きたるは、さしむかひていふよりもうれし。いかでこの人に、思ひしりけりとも見えにしがなと、つねにこそおぼゆれ。
 

かならず思ふべき人、とふべき人は、さるべきことなれば、とりわかれしもせず。さもあるまじき人の、さしいらへをも、うしろやすくしたるは、うれしきわざなり。いとやすきことなれど、さらにえあらぬことぞかし。
 

おほかた、心よき人の、まことにかどなからぬは、男も女もありがたきことなめり。また、さる人おほかるべし。


Tunagari_title
・枕草子 原文全集「よろづのことよりも」

Related_title
もっと見る 

Keyword_title

Reference_title
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 11,439 pt 
 役に立った数 3 pt 
 う〜ん数 4 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!