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枕草子 原文全集「八月つごもり、「太秦に詣づ」とて」

著者名: 古典愛好家
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八月つごもり、「太秦に詣づ」とて

八月つごもり、「太秦に詣づ」とて見れば、穂にいでたる田を、人いとおほく見さわぐは、稲かるなりけり。

「早苗とりしかいつの間に」


まことに、さいつころ賀茂へ詣づとて見しが、あはれにもなりにけるかな。


これは男どもの、いと赤き稲の、本ぞ青きを持たりてかる。何にかあらむして本をきるさまぞ、やすげに、せまほしげにみゆる也。いかでさすらむ、穂をうちしきて、並みをるもをかし。庵のさまなど。
              
               
                
           
         
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・枕草子 原文全集「八月つごもり、「太秦に詣づ」とて」

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松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社

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