エーゲ文明とギリシアで押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
エーゲ文明とは
・エーゲ文明は、地中海の一部で、
バルカン半島と
アナトリア半島に挟まれた
エーゲ海周辺におこった文明のこと。
・エーゲ文明は
青銅器文明であり、紀元前
2000年~紀元前
1400年頃に栄えた
クレタ文明と、紀元前
1600年~
1200年頃に栄えた
ミケーネ文明が代表的である。
クレタ文明
・クレタ文明はエーゲ海に浮かぶクレタ島を中心にクレタ人が作った文明。海上交易で栄え、王の名前から
ミノス文明とも呼ばれる。この文明は宮殿に
城壁がなく、
写実的な美術品があったことから、
明るく開放的な特徴をもつ。
・伝説の王ミノスが住んだとされ、巨大な
迷宮(ラビリンス)だった
クノッソス宮殿を、1900年以降イギリスの考古学者
エヴァンズが発見し、存在が確認された。
・この文明で使われた文字を、
線文字Aという。
・クレタ文明は、後にミケーネ文明を作ることになる
アカイア人によって滅ぼされた。
ミケーネ文明
・ミケーネ文明は、もともとバルカン半島北部に住んでいた
インド=ヨーロッパ系のギリシア人の第1波
アカイア人が、
ペロポネソス半島の
ミケーネ地方に定住し形成した文明。
・ミケーネ文明は巨石で作られた
城塞など
閉鎖的な特徴がある。
・
ホメロスの叙事詩を信じたドイツの考古学者
シュリーマンにより発見された。
ミケーネ、ティリンス、ピュロスが代表的な遺跡。
・この文明で使われた文字を、
線文字Bという。
線文字Bは、
ピュロスで大量に発見され、1952年イギリス人建築家の
ヴェントリスによって解読された。
・シュリーマンは他にも、アナトリア半島で
トロイア遺跡を発見し、ホメロスの叙事詩『
イリアス』、『
オデュッセイア』に描かれた
トロイアの実在を証明した。
・ミケーネ文明は、農民から農作物を徴収する
貢納王政で、最終的に「
海の民」に滅ぼされたと考えられている。
・ミケーネ文明滅亡後のギリシアの状況を、発見される資料が極めて少く不明なことが多いことから、
暗黒時代と呼ぶ。
ポリスの成立
・ギリシアとは、バルカン半島南部の地域のことで、雨が少なく
オリーブや
ぶどうなどの
果樹栽培に適した土地だった。穀物は海外から輸入したため、海上交易や交通が発達した。
・ギリシア人は紀元前20世紀以降にバルカン半島北部から南下をはじめ、使った言葉により、
東方方言群の
アカイア人・イオニア人・アイオリス人と、
西方方言群の
ドーリア人に区別される。
・紀元前8世紀ころから、貴族などが中心となり
集住(シノイキスモス)がおこり、
貴族制と
ポリスが成立する。
・ポリスとは、古代ギリシアの都市国家のことで、城壁の内側の中心市と周辺の田園地帯で構成されていた。
・ポリスの中心には神を祀った
アクロポリスという丘があり、そのふもとに公共の広場として
アゴラがあった。
アゴラでは集会や交易、裁判が行われ、ポリスの重要な場所となった。
・ギリシア人は英雄
ヘレンの末裔として
ヘレネスと自称し、他方異民族を
バルバロイとよんだ。
・ギリシア世界において、中部ギリシアの
デルフィの神託が重要視された。宣戦布告や講和、植民などの重要事項は、この神託を元にして決められた。
・オリンピックの元になった
オリンピアの祭典は紀元前
776年から行われたが、
393年にローマ皇帝の勅令により中止となった。
・ギリシア各地には植民市が建てられた。
ビザンティオン(現イスタンブール)、マッサリア(現マルセイユ)、ネアポリス(現ナポリ)、ニカイア(現ニース)、タレントゥム(現タラント)、シラクサなどが有名。
・紀元前
7世紀後半には
リディア王国で使われた貨幣がもたらされ、その後商業活動の発達と同時に、貧富の格差が生まれる要因となった。