ゲルマン民族とは
ゲルマン民族の大移動は、4世紀に入った頃に始まります。
その頃のヨーロッパには、ローマ帝国がありました。
まず、ゲルマン民族とは、どのような人たちなのでしょうか。
ゲルマン民族とは、
ゲルマニア地方に居住した諸部族のことです。
ローマ帝国の人々が、ローマ帝国の東側に住む人々のことを、こう呼んでいました。
ローマ帝国とゲルマン民族はそれまでも関係がなかったわけではなく、
ローマ軍と衝突する部族もあれば、ローマ軍の傭兵などとしてローマ社会に同化する部族もありました。
ゲルマン民族は、いくつもの部族の総称です。
これから出てくる、
東ゴート族や
ヴァンダル族と言った名前は、ゲルマン民族の部族の名前です。
大移動のはじまり
さて、ゲルマン民族の大移動は、なぜ始まったのでしょうか。
そのきっかけは、ロシアのほうからヨーロッパへやってきた、アジア系遊牧民
フン族でした。
フン族は、中国史に出てくる匈奴と同一と言われています。
フン族は、東ヨーロッパへやってきて、東ゴート族を服属させます。
それにびっくりした西ゴート族が、「自分たちもやられる!」と思って
ドナウ川を渡り、ローマ帝国の中まで逃げてきたのが、ゲルマン民族の大移動の始まりです。
西ゴート族はいったんはローマ帝国に匿ってもらったものの、さらに条件の良い土地を求めて、何度か移動します。
そして、378年に
アドリアノープルの戦いでローマ軍を破り、さらに418年には
西ゴート王国を建設します。