はじめに
ここでは、
万葉集で詠まれている「
この世にし楽しくあらば来む世には虫に鳥にも我はなりなむ」という歌について説明していきます。
原文
この世にし楽しくあらば来む世には虫に鳥にも我はなりなむ
現代語訳
現世で楽しく過ごせる(酒が飲んで笑える)ならば、来世では虫にでも取りにでも、私はなってしまおう。
解説・鑑賞のしかた
この歌を詠んだ大伴旅人は、現世を大切にし、楽しく生きることが何よりも大切だと考えています。来世のことなどは気にせずに、大らかに生きていきたいという思いが込められた歌です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
この世 | ー |
に | 格助詞 |
し | 副詞 |
楽しく | 形容詞・シク活用・連用形 |
あら | ラ行変格活用・未然形 |
ば | 接続助詞 |
来 | カ行変格活用・未然形 |
む | 湾曲を表す助動詞・連体形 |
世 | ー |
に | 格助詞 |
は | 係助詞 |
虫 | ー |
に | 格助詞 |
鳥 | ー |
に | 格助詞 |
も | 係助詞 |
我 | ー |
は | 係助詞 |
なり | ラ行四段活用・連用形 |
な | 強意の助動詞・未然形 |
む | 意志の助動詞・終止形 |