はじめに
ここでは、中国の詩人、
王維のよんだ句「元二の安西に使ひするを送る」の書き下し文、そして現代語訳(口語訳)を記しています。
この句は、王維とその友人であった
元二と呼ばれる人物の別れを読んだ句です。元二が公用で安西に旅立つにあたって王維は、旅立ちの前の日に渭城の旅館で酒を酌み交わします。しかしいざ、出発の朝になってみると、別れが名残惜しく、「最後にもう1杯酌み交わそうではないか」と元二に告げている、そういうシーンの句です。安西、渭城と陽関は地名です。
ちなみにこの詩は七つに並んだ漢字が四つのブロックからなる
七言絶句です。「塵(じん)」、「新(しん)」、「人(じん)」が韻を踏んでいます。
白文(原文)
左から右に読んでください。
渭 城 朝 雨 浥 軽 塵
客 舎 青 青 柳 色 新
勧 君 更 尽 一 杯 酒
西 出 陽 関 無 故 人
書き下し文
渭城の朝雨 軽塵を浥し
客舎青青柳色新たなり
君に勧む 更に尽くせ一杯の酒
西のかた 陽関を出づれば 故人無からん
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