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杜牧『山行』書き下し文/わかりやすい現代語訳と解説(絶句・押韻など)

著者名: 走るメロス
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テスト対策にも!『山行』原文・現代語訳と解説

このテキストでは中国の詩人杜牧(とぼく)が詠んだ歌「山行」の原文(白文)、書き下し文、わかりやすい現代語訳・口語訳とその解説(絶句・押韻・対句の有無など)を記しています。



山行の意味

山行とは、山歩きのことです。この歌には、秋から冬にかけての寒々とした山に散歩したときのことが書かかれています。


漢文(白文)

※左から右に読んでください。

遠 上 寒 山 石 径 斜
白 雲 生 処 有 人 家
停 車 坐 愛 楓 林 晩
霜 葉 紅 於 二 月 花



書き下し文

遠 上 寒 山 石 径 斜
遠く寒山に上れば石径斜めなり


白 雲 生 処 有 人 家
白雲生ずる処人家有り

停 車 坐 愛 楓 林 晩
車を停(とど)めて坐(そぞろ)に愛す楓林の晩(くれ)


霜 葉 紅 於 二 月 花
霜葉は二月の花より紅なり


現代語訳(口語訳)

遠く寒山に上れば石径斜めなり
遠くの寒々とした山に登ると、石の混じった小道が斜めに続いている

白雲生ずる処人家有り
(霧のような)雲がかかるこんな所(高所)でも民家がある



車を停(とど)めて坐(そぞろ)に愛す楓林の晩(くれ)
私は車を止めて、何気なく楓の林の夕暮れを眺めている

霜葉は二月の花より紅なり
霜がかかって赤くなった紅葉は、二月に咲く桃の花よりもずっと赤い


単語

寒山寒々とした山。秋から冬にかけてをイメージ
霜葉霜がおりるぐらい寒くなって色が赤くなった紅葉
二月の花桃の花(古典の常識として覚える)



文法解説

形式:七言絶句

4つの句からなる詩を絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を律詩(りっし)といいます。例えばこの漢詩では、「遠上寒山石径斜」を1句と考えます。この漢詩は4つの句からなるので、絶句です。

また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの七言絶句(しちごんぜっく)といいます。

以上から、この漢詩は「七言絶句」となります。

押韻:楼・州・流

押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。この詩では、

斜(Sha)、家(Ka)、花(Ka)

が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。

押韻にはルールがあります。七言絶句では、原則として第1句末、第2句末、第4句末に同じ響きの言葉が置かれます


対句

なし。


著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店
『教科書 新編国語総合』 東京書籍
『教科書 高等学校国語 国語総合』 東京書籍

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