はじめに
よくテレビで話題になっている
少子高齢化ですが、みなさんはなぜこれが問題なのかわかりますか?経済と社会保障の2つの点から説明しましょう。
経済の点
まず経済の観点からです。
1940年代後半に、
ベビーブームと呼ばれる現象がありました。
子供をたくさん育てようという時代です。この自体、子供は3~4人いるのが一般的な家庭のモデルでした。この世代の人たちがいまの60歳前後の人たちです。
一方でいまの若い世代の人たちはどうでしょう。子供は1~2人の家庭が多いですね。
これを会社に置き換えると、次のことが言えます。
今まで60歳前後の人たちが3~4人で回していた仕事を、彼らが引退したあとは若い世代の人たちが引き継がなければいけません。しかし60歳前後の人たちが3~4人で回していた仕事を若い世代の人たちでは1~2人で回さなければいけない程、
働き手が少ないんです。
つまり「
人でが足りない」。これが少子高齢化におけるキーワードです。
これによって企業は生産性が低下して、経済の流れが悪くなってしまうのではないか、そういう心配がなされているのです。
社会保障の点
では社会保障の観点ではどうでしょうか。
医療保険がわかりやすいので例を出しましょう。
働く人たちは、社会保障費というものを国に納めています。イメージとしては、国民が国に貯金をしておいて、いざ何か困ったことがあったらその貯金を切り崩して困っている人に役立ててあげようというシステムです。
例えばみなさんが病院に行ったとき、本来かかった金額の3割を払うだけですんでいます。残りの7割は、働く人が国に納めた社会保障費から出しているんですね。
この
社会保障費を払う人は働く世代、つまり引退するまでの世代です。
今までは働く世代の人たちが負担した社会保障費で、引退した人たちにかかる医療費を負担することができていました。
しかし、これからは60歳以上の人たちの方が多くなる時代です。
となるとどうでしょう。国の貯金箱としては、今までと同じような負担額では、
収入が少ないのに出ていくお金がどんどん増えていってしまう。この制度をこのまま続けていけば貯金箱の中はそのうちゼロになってしまって社会保障制度そのものがうまくまわらなくなってしまう。このようなことが懸念されているんですね。