現代語ではあまり使われなくなったことば
ここでは、現代語ではあまり使われなくなったことばを中心にまとめています。
言葉 | 意味 | 使い方 | 訳 |
あらまほし | 理想的だ | 何事にも先達はあらまほしき | 何事においても先生となる人はいてほしい |
いと | とても・非常に | いとをかし | とても趣がある |
いみじ | 甚だしい(プラスにもマイナスの意味にもなります) | いみじき絵師 | 優れた絵師 |
おぼゆ | 思われる | ~とおぼゆる事あれど | ~と思われることがあるが |
げに | 実に・本当に | げに、さし向ひて見むほどは | 実に、向い合って暮らすには |
さらなり | 言うまでもない | 夏は夜。月のころはさらなり・・・ | 夏は夜がいい。月が出る時間帯は言うまでもなく・・・ |
つきづきし | 似つかわしい・ふさわしい | いとつきづきし | とても似付かわしい |
つとめて | 早朝 | 冬の頃はつとめて。 | 冬の時期は早朝(がいい)。 |
つれづれなり | することがなく退屈だ | つれづれなるまゝに | 手持ち無沙汰なので |
やむごとなし | 並々ではない | やむごとなきことあり | 並々ではないことがあった |
ゆかし | 知りたい | 中将 わりなく ゆかしがれば、 | 中将がむやみやたらに見たがる(知りたがる)ので |
なぜ古文の単語が使われなくなったのか。そして古文を学ぶ意義とは?
古文の単語が現代では使われなくなった理由は、いくつかの要素が考えられます。
一つは、明治時代以降の日本語の変化です。明治政府は近代化と国民統合を進めるために、言語の統一化や現代文との一致を図る国語政策を進めました。その結果、古文と現代文の間に大きな隔たりが生まれ、古文の読み方が難しくなりました。また、外来語やカタカナ表記の増加も、古文との関連性の減少につながりました。
もう一つは、時代や社会の変化に伴って、言葉が指し示す対象が存在しなくなったり、他の言葉に置き換えられたりしたことです。これらの言葉は廃語や死語と呼ばれます。
以上のように、古文の単語が現代で使われなくなったのは、歴史的・社会的・文化的な背景によるものです。
しかし、これらの単語は日本の過去を知る上で貴重な資料でもあります。古文を読むことで、先人たちの知恵や経験を学ぶことができるかもしれません。古文を学ぶメリットは、いくつかあります。以下にその三つを紹介します。
先人の知恵を学べる:古文には、日本の歴史や文化、思想や感性を伝える貴重な作品がたくさんあります。これらを読むことで、現代の人々にも通用する普遍的な教訓やヒントを得ることができます。例えば、「徒然草」には、「あらためても益なき事は、あらためぬをよしとするなり。」(無理に変えようとしても良くならないことは、そのままにしておくのが良い)という意味の言葉があります。このように、古文を読むことで、先人たちの知恵や経験を学ぶことができます。
語彙力を高められる:古文には、現代ではあまり使われない言葉や漢字がたくさん登場します。これらを覚えることで、日本語の語彙力や表現力を向上させることができます。例えば、「一再、相ひ煩はせ、頗る不安を抱く」という漢文は、「何度も迷惑をかけて、とても不安に思う」という意味です。古文を読むことで、現代の言葉ではあまり使われない言葉や漢字に触れることができます。
以上のように、古文を学ぶことには多くのメリットがあります。古文を通じて、先人たちの知恵や経験を学ぶことができるだけでなく、語彙力の向上にも役立つのです。