前回のおさらい
前回のテキストでは、ルシャトリエの原理の中から、温度が変化したときの原理について説明をしました。
今回はその続きで、圧力が変化した場合について説明していきます。今回で最終回ですので、がんばっていきましょう!
圧力を変化させた場合
ここが一番わかりにくいところかもしれません。
『化学Ⅱ ニューグローバル』によると
圧力を大きくすると、平衡は気体の分子数が減少する向きに移動、一方で圧力を小さくすると、平衡は気体の分子数が増加する向きに移動する
となっていますが、わかりにくいかと思います(汗)
例として次の反応を考えてみましょう。
左辺はN2が1mol、H2が3molで、右辺はNH3が2molですね。
気体の分子数、これは
モルに比例をします。
圧力を大きくすると、左辺の4molと右辺の2molがだんだんと圧縮されていきます。現状は4mol:2molでバランスがとれていますが、だんだんとバランスが崩れ、左辺の方が重くなってくるはずです。ここで
平衡は右の方に移動をして2molを助けようとします。
圧力が強くなった場合、反応前と反応後とで、モル数が少ない方に平衡は移動する
では次のような場合はどうでしょう。
左が2molで右も2molで吊り合っていますね。このような場合、圧力が変わっただけでは平衡は移動しません。
化学反応式の反応前と反応後のモル数が同じ場合は、圧力の変化だけでは平衡は移動しない