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古文単語「こもる/籠る/隠る」の意味・解説【ラ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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「こもる/籠る/隠る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用】

このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「こもる/籠る/隠る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ラ行四段活用

未然形こもら
連用形こもり
終止形こもる
連体形こもる
已然形こもれ
命令形こもれ


意味1:自動詞

閉じこもる、引きこもる

[出典]平泉 奥の細道
「さても義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時のくさむらとなる。」

[訳]:それにしても、(義経は)忠義の家臣を選りすぐってこの城に立てこもり(戦ったが)、功名は一時のことで(今は)草むらとなっている。


意味2:自動詞

隠れる、潜む

[出典]:大和物語
「みちのくの安達が原の黒塚にこもれりと聞くはまことか。」

[訳]:陸奥の安達が原の黒塚に(鬼が)潜んでいると聞きますが本当ですか。




意味3:自動詞

囲まれている、包まれている

[出典]大火とつじ風 方丈記
「三、四町を吹きまくる間に、こもれる家ども、大きなるも、小さきも、ひとつとして破れざるはなし。」

[訳]:三、四町を吹き荒れる間に、囲まれている家々は、大きい物も、小さい物も、ひとつとして壊れない物はない。


意味4:自動詞

(祈願のために)
寺社に泊まり込む

[出典]物語 更級日記
「親の太秦にこもり給へるにも、ことごとなくこのことを申して...」

[訳]:親が太秦(にある広隆寺)に祈願のために泊まり込まれるときにも、他のことはなくこのことだけを(願い)申し上げて...


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