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古文単語「うらむ/恨む/怨む」の意味・解説【マ行上二段活用/マ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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「うらむ/恨む/怨む」の意味・解説【マ行上二段活用/マ行下二段活用】

このテキストでは、古文単語「うらむ/恨む/怨む」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「うらむ」には
①マ行上二段活用
②マ行四段段活用
の用法がある。

①マ行上二段活用

未然形うらみ
連用形うらみ
終止形うらむ
連体形うらむる
已然形うらむれ
命令形うらみよ


意味1:他動詞

恨みに思う、恨む

[出典]百人一首 藤原朝忠
「逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし」

[訳]:契ることが絶対にないものならば、かえって、(つれない)あの人のことや(そっけない態度をとられ悲しく思う自分の)身をも恨むことはしないだろうに。


意味2:他動詞

不平不満を言う、恨み言をいう

[出典]鳥の子/あだくらべ 伊勢物語
「むかし、男ありけり。うらむる人をうらみて、...」

[訳]:昔、ある男がいました。(男の仕打ちに)恨み言をいう人(女)を恨んで...


意味3:他動詞

復讐する、恨みを晴らす、仕返しをする、仇討ちをする

[出典]:徒然草 兼好法師
「『己れが師、なにがしと申しし人、東国にて、いろをしと申すぼろに殺されけりと承りしかば、その人に逢ひ奉りて、恨み申さばやと思ひて、尋ね申すなり』と言ふ。」

[訳]:「私の師で、誰それと申した人が、東国で、いろをしという乞食僧に殺されたと聞いたので、その人に会って恨みを晴らそうと思い、訪れ申し上げたのです。」と言う。


意味4:他動詞

(虫や風などが)
悲しげに鳴く、悲しさをさそうような音を立てる

[出典]:平家物語
「いつしか虫の声々恨むるもあはれなり。」

[訳]:早くも(秋の)虫の鳴き声が悲しげに鳴くのも趣がある



②マ行四段活用

未然形うらま
連用形うらみ
終止形うらむ
連体形うらむ
已然形うらめ
命令形うらめ


意味:他動詞

恨みに思う、恨む、恨み言をいう

[出典]:奥の細道 松尾芭蕉
「松島は笑うが如く、象潟はうらむがごとし」

[訳]:松島は笑っているようで、象潟は恨んでいるようだ。


備考

類義語に「ゑんず/ゑず/怨ず」があるが、「ゑんず/ゑず/怨ず」には「うらむ/恨む」ほど強い意味はない。

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