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蜻蛉日記原文全集「かくて人にくからぬさまにて」 |
著作名:
古典愛好家
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蜻蛉日記
かくて人にくからぬさまにて
かくて人にくからぬさまにて、十といひて一つ二つの年はあまりにけり。されど、あけくれ世中の、人のやうならぬを嘆きつつ、つきせず過ぐすなりけり。それもことわり、身のあるやうは、夜とても人の見えおこたる時は、人すくなに心ぼそう、いまはひとりをたのむたのもし人は、この十余年のほど県(あがた)ありきにのみあり、たまさかに京なるほども四五條のほどなりければ、われは左近の馬場を片岸にしたれば、いとはるかなり。かかるところも、もとよりつくろひかかはる人もなければ、いとあしくのみなりゆく。これをつれなく出で入りするは、ことに心ぼそう思ふらんなど、ふかうおもひよらぬなめりなど、千種に思ひみだる。ことしげしといふは何か、この荒れたる宿のよもぎよりも繁げなりと思ひながむるに、八月ばかりになりにけり。
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