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枕草子『虫は』わかりやすい現代語訳と文法解説 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、清少納言が書いた枕草子の一節『虫は』(虫はすずむし。ひぐらし。蝶〜)現代語訳・口語訳とその解説を記しています。
※清少納言は平安時代中期の作家・歌人です。一条天皇の皇后であった中宮定子に仕えました。そして枕草子は、兼好法師の『徒然草』、鴨長明の『方丈記』と並んで「古典日本三大随筆」と言われています。
虫はすずむし。ひぐらし。蝶。(※1)まつむし。きりぎりす。(※2)はたおり。(※3)われから。(※4)ひを虫。ほたる。
みのむし、いとあはれなり。鬼の生みたりければ、親に似てこれも恐ろしき心あら(※5)むとて、親のあやしき衣ひき着せて、
と言ひおきて、逃げて去にけるも知らず、風の音を聞き知りて、八月ばかりになれば、
「ちちよ、ちちよ。」
とはかなげに鳴く、(※7)いみじうあはれなり。
(※6)ぬかづき虫、またあはれなり。さる心地に(※8)道心おこして、つきありく(※9)らむよ。思ひかけず暗き所などに、ほとめきありきたるこそをかしけれ。
蝿こそにくきもののうちに入れつべく、愛敬なきものはあれ。人々しう、敵などにすべき大きさにはあらねど、秋など、ただよろづの物にゐ、顔などに濡れ足してゐるなどよ。人の名につきたる、いとうとまし。
夏虫、いとをかしうらうたげなり。火(※10)近う取り寄せて物語など見るに、(※11)草子の上などに飛びありく、いとをかし。
蟻は、いとにくけれど、軽びいみじうて、水の上などを、ただ歩みに歩みありくこそ、をかしけれ。
虫(で趣深いの)は鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫。こおろぎ。われから。かげろう。蛍。
蓑虫はとても趣深く感じる。鬼が生んだ(子な)ので、親に似てこれも恐ろしい心を持っているだろうということで、親が(子に)みすぼらしい着物を着せて、
「間もなく、秋風が吹いたらそのときに来ようとしている。(それまで)待っていなさいね。」
と言い残して、逃げて行ってしまったことも知らずに、秋風の音を聞いて知って、八月ごろになると、
「父よ、父よ(または乳よ、乳よ)」
と心細そうに鳴くのは、大変しみじみと心打たれる。
コメツキムシも、また趣深く感じる。そんな(ちっぽけな虫の)心にも仏教を深く信仰する心を生じさせて、額を地につけて拝みまわっているのだろうよ。予期しない暗い所などで、ことことと音を立てながら歩いているのは面白い。
蝿こそ気に入らないものの中に入れるべきで、かわいげのないものである。人間並みに、相手などにするほどの大きさではないが、秋などに、直接にいろいろな物にとまり、顔などに濡れた足でとまっていることよ。人の名に(蝿と)ついているのは、とてもいやな感じだ。
夏虫はとても趣があってかわいらしい。明かりを近くに引き寄せて物語などを読んでいると、本の上を飛んでいる様子はとても趣がある。
蟻は、とても気に入らないのだが、身軽さは並々ではなく、水の上などを、ひたすら歩きに歩き回るのは、趣がある。
【アンモニアの発生方法と集め方について解説】
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