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古文単語「あはれなり」の意味・解説【形容動詞ナリ活用】

著者名: 走るメロス
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あはれなり

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形容動詞・ナリ活用

未然形あはれなら
連用形あはれなりあはれに
終止形あはれなり
連体形あはれなる
已然形あはれなれ
命令形(あはれなれ)


意味1

しみじみと心が動かされる、しみじみと心打たれる

[出典]春はあけぼの 枕草子
「烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。」

[訳]:烏が寝床へ帰ろうとして、三羽四羽、二羽三羽と飛び急いでいる様子さえしみじみと心打たれる


意味2

趣深く感じる

[出典]花は盛りに 徒然草
「深き山の杉の梢に見えたる木の間の影、うちしぐれたるむら雲隠れのほど、またなくあはれなり。」

[訳]:光が山奥の杉の梢の木の間に影を作ったり、時雨を降らせたむら雲に月が隠れている情景のほうが、趣深く感じる


意味3

かわいい、愛しい

[出典]:桐壷 源氏物語
「人柄のあはれに情けありし御心を、主上の女房なども恋ひしのびあへり。」

[訳]:(更衣の)人柄がかわいく愛情深い人であったことを、帝の世話をする女房たちなども恋しく思い出していました 。


意味4

素敵だ、美しい

[出典]若紫・北山の垣間見 源氏物語
あはれなる人を見つるかな。」

[訳]素敵な人を見たものだなぁ。


意味5

気の毒だ、かわいそうだ

[出典]花山院の出家 大鏡
あはれなることは、おりおはしましける夜は藤壺の上の御局の小戸より出でさせ給ひけるに...」

[訳]:お気の毒に思いますことには、(天皇の位を)お下りになられた夜は、藤壺の上のお部屋の小戸からお出になられたところ...


意味6

情が細やかだ、感心だ

[出典]:あはれなるもの 枕草子
あはれなるもの。孝ある人の子。」

[訳]感心なもの。孝行の心がある子供。


意味7

悲しい、物寂しい

[出典]静かに思へば 徒然草
「いかなる折、いつの年なりけんと思ふは、あはれなるぞかし。」

[訳]:どんな時、どの年にもらったものだろうかと思うのは、物寂しいことよ。


意味8

ありがたい、尊い

[出典]:若紫 源氏物語
「寺のさまもいとあはれなり。」

[訳]:寺のありさまもたいそう尊い


「おもしろし/をかし」との違い

「風情がある、興味深い」という意味では「あはれなり/おもしろし/をかし」は共通している。しかし、次のような微妙なニュアンスの違いがある。

あはれなりしみじみと心が動かされるような情緒を表す。をかしとは対照的な感情。
おもしろし目の前が明るくなり、心が晴れやかにはるような感情を表す。
をかし自分の持っている価値観がある対象と一致したときに感じる感動や情緒を表すあはれなりとは対照的な感情。


参照:おもしろしの意味
参照:をかしの意味
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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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