新規登録 ログイン

9_80 ことば / 単語

古文単語「あやし/怪し/奇し/賤し」の意味・解説【形容詞シク活用】

著者名: 走るメロス
Text_level_1
マイリストに追加
あやし/怪し/奇し/賤し

ALT

形容詞・シク活用

未然形あやしくあやしから
連用形あやしくあやしかり
終止形あやし
連体形あやしきあやしかる
已然形あやしけれ
命令形あやしかれ


※(一)「怪し/奇し」と(ニ)「賤し」とでは意味が異なる。

(一)怪し/奇し

意味1

不思議だ、神秘的だ

[出典]枕草子 清少納言
「ただ文字一つに、あやしう、あてにもいやしうもなるは、いかなるにかあらむ。」

[訳]:ただ言葉遣いの一つで、不思議なことに、上品にも下品にもなるのは、どういうわけでしょうか。

※「あやしう」は、「あやし」の連用形のウ音便

意味2

異常だ、珍しい、並々ではない

[出典]徒然草 兼好法師
「心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」

[訳]:心の中に浮かんでは消えていくとりとめもないことを、あてもなく書きつけていると、(思わず熱中して)異常なほど、狂ったような気持ちになるものだ。

※「あやしう」は、「あやし」の連用形のウ音便

意味3

よくない、不都合だ、けしからん

[出典]枕草子 清少納言
「遣戸を、荒くたてあくるも、いとあやし。」

[訳]:引き戸を荒く閉めたり開けたりするのも、とてもけしからんことだ。


意味4

疑わしい、心もとない、心配だ

[出典]竹取物語
「かぐや姫を養ひ奉ること二十余年になりぬ。片時とのたまふに、あやしくなりはべりぬ。」

[訳]:「かぐや姫を養い申し上げて20年あまりになります。(この20年のことを)少しの間と仰るので、(本当にかぐや姫のことを言っているのか)疑わしく思いました。


[出典]奥の細道 松尾芭蕉
「うひうひしき旅人の道ふみたがえん、あやしう侍れば...」

[訳]:この土地に慣れていない旅人が道に迷うこともあるのも、心配ですから...


(ニ)賤し

意味1

身分が低い

[出典]:源氏物語 紫式部
あやしき海人どもなどの高き人おはする所とて、集まり参りて...」

[訳]身分の低い漁夫たちなどが、身分の高い方がいらっしゃる所だといって、集まり参上して


意味2

見苦しい、みっともない

[出典]更級日記 菅原孝標女
「東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを...」

[訳]:京都から東国へ向かう道の果てよりも、もっと奥の方で育った人は、(今思うと)どれほどまあ(田舎っぽくて)見苦しかっただろうに...


備考

当時の貴族たちからすれば、庶民の生活は不思議で理解できなかったことから(ニ)「賤し」の意味が生まれたとされる。


Related_title
もっと見る 


Keyword_title

Reference_title
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 3,601 pt 
 役に立った数 1 pt 
 う〜ん数 1 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ
このテキストのまとめは存在しません。