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土佐日記『門出』(二十三日。八木のやすのりといふ人あり〜)現代語訳・口語訳と解説 |
著作名:
走るメロス
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土佐日記『門出』
ここでは、土佐日記の中の『門出』の「二十三日。八木のやすのりといふ人あり」から始まる部分の現代語訳・口語訳とその解説を行っています。
※前回のテキスト:『男もすなる日記といふものを〜』の現代語訳
※土佐日記は平安時代に成立した日記文学です。日本の歴史上おそらく最初の日記文学とされています。作者である紀貫之が、赴任先の土佐から京へと戻る最中の出来事をつづった作品です。
原文
二十三日。八木のやすのりといふ人あり。この人、国に必ずしも言ひ使ふ者にも(※1)あらざなり。これぞ、たたはしきやうにて(※2)馬のはなむけしたる。守柄にやあらむ、国人の心の常として、
「今は。」
とて見えざなるを心ある者は恥ぢずになむ来ける。これは、物によりて褒むるにしもあらず。
二十四日。(※3)講師馬のはなむけしに出でませり。ありとある上下、童まで酔ひ痴れて、一文字を(※4)だに知らぬ者、しが足は十文字に踏みてぞ遊ぶ。
現代語訳
23日。八木のやすのりという人がいる。この人は、国司の役所で必ずしも召し使っている者でもないようだ。この者が、厳かな様子で馬のはなむけをしてくれた。国司としての人柄であろうか、(この)国の人の心情としては、
「今は(別れのときだからもう顔はあわせない。)」
と(見送りに)やって来ないというが、思いやりがある者は遠慮せずに(見送りに)やって来てくれた。これは、良い贈り物(をもらったこと)によって褒めるわけではない。
24日。高僧が馬のはなむけをしにおいでになった。(その場にいる)すべての身分が高い者身分が低い者、子どもまでがひどく酔って正体をなくして、一という文字さえ知らない者が、その足は十という文字を(書くように)調子をとって足踏みをして楽しんでいる。
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