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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「バチカン市国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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バチカン市国

バチカン市国(以下「バチカン」、英語ではVatican)は、イタリアの首都ローマの市街地の中央に位置する、独立した主権国家です。

このテキストでは、バチカンの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


国土

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バチカンは、イタリアの首都ローマの市街地の中央に位置する、独立した主権国家です。その国土面積は、約0.44平方キロメートル(2025年)であり、これは世界で最も小さい独立国です。この面積は、皇居の敷地の約3分の1、または東京ドーム約9.5個分に相当します。バチカンの国境は、主に古代の城壁と、サン・ピエトロ広場を囲む境界線によって形成されており、実質的にイタリアとの国境のみが存在します。国土の大部分は、サン・ピエトロ大聖堂、バチカン宮殿、バチカン美術館、バチカン庭園などの主要な建築物や広場で占められています。

人口と人種

バチカンの人口は、約453人(2025年)と報告されています。この人口には、聖職者、外交官、スイス衛兵、そして一部の一般市民が含まれています。バチカンの市民権は、血統ではなく、特定の役職に就いている者やその家族に限定して付与される特殊な制度です。このため、人口構成は非常にユニークです。人種的には、特定の民族が多数を占めているわけではなく、世界各国から集まったカトリック教会の高位聖職者や職員、そしてスイス出身のスイス衛兵隊員など、多様なバックグラウンドを持つ人々で構成されています。


言語

バチカンでは、複数の言語が使用されています。公用語としてラテン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語が定められています。特にラテン語は、ローマ教皇庁の公文書や宗教儀式において重要な役割を担っています。しかし、日常のコミュニケーションや行政事務においては、イタリア語が最も広く使われています。また、バチカンを警備するスイス衛兵は、ドイツ語、フランス語、イタリア語を母国語としています。このような多言語環境は、バチカンが世界的なカトリック教会の中心であるという性格を反映しています。


主な産業

バチカンは、国家としての経済活動を、一般的な製造業や農業に頼っていません。主な収入源は、宗教関連の活動、観光、そして金融です。具体的には、バチカン美術館への入場料収入、郵便切手やコイン、記念品などの販売収入が挙げられます。また、世界中のカトリック信者からの寄付も、重要な財源の一つです。これらの収益は、国の運営費、慈善活動、そして膨大な美術品の維持管理などに充てられています。バチカン銀行は、これらの金融資産を管理する役割を担っています。


主な観光地

バチカンは、世界中から年間何百万人もの人々が訪れる観光地です。主な観光地は以下の通りです。

サン・ピエトロ大聖堂

ルネサンス様式の壮大な建築物で、キリスト教世界における最も重要な教会の一つです。ミケランジェロが設計した巨大なドームが特徴的です。

サン・ピエトロ広場

大聖堂の正面に広がる広場で、ベルニーニが設計した壮麗な柱廊が特徴です。ローマ教皇による一般謁見や、クリスマス・イースターなどの重要な儀式が行われる場所です。

バチカン美術館

ローマ教皇のコレクションを起源とする美術館で、古代ローマ時代から現代に至るまでの膨大な美術品が収蔵されています。その中でも、ミケランジェロが天井画と壁画を描いたシスティーナ礼拝堂は、多くの訪問者の目的地となっています。

バチカン庭園

国土の約半分を占める広大な庭園で、彫刻や噴水、美しい植物が配置されています。庭園は事前予約制のガイドツアーでのみ見学が可能です。


文化

バチカンの文化は、カトリック教会の伝統と芸術に深く根ざしています。何世紀にもわたり、ローマ教皇庁は芸術の重要なパトロンでした。ミケランジェロ、ラファエロ、ベルニーニといったルネサンス期やバロック期の巨匠たちが、サン・ピエトロ大聖堂やバチカン宮殿など多くの場所でその才能を発揮しました。これらの芸術作品は、バチカンの文化的景観を形成する上で不可欠な要素です。また、バチカンは世界中のカトリック信者の精神的な中心であり、宗教儀式や伝統が、国の文化的なアイデンティティを形作っています。


スポーツ

バチカンには、独立したナショナルチームやプロスポーツリーグは存在しませんが、非公式なスポーツ活動は行われています。バチカン市国サッカー協会は、聖職者や職員で構成されたサッカーチームを組織しており、チャリティーマッチなどを通じて親睦を深めています。国際的な試合に参加することはありませんが、市民の健康増進とコミュニティ形成のためにスポーツが楽しまれています。


日本との関係

日本とバチカンは、長きにわたる友好的な関係を維持しています。両国の交流は、1585年にローマを訪問した天正遣欧使節にまで遡ります。

外交関係

1942年に外交関係が樹立され、日本はバチカンに大使館を置いています。これまでに、日本の天皇陛下や首相がローマ教皇と面会するなど、要人レベルの交流が定期的に行われています。

文化交流

日本の大学とバチカン図書館との間で、学術的な連携が行われています。また、バチカン美術館の貴重な美術品が日本で特別展として公開されるなど、文化的な交流も活発です。

これらの交流を通じて、両国は平和、文化、宗教といった分野で協力関係を深めています。
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世界銀行 (World Bank)
CIA World Factbook
外務省

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