細胞性免疫のしくみ
このテキストでは、2種類ある免疫のうち
細胞性免疫について述べています。体液性免疫については次のテキストを参照してください。
体液性免疫と細胞性免疫~体液性免疫のしくみ~
細胞性免疫
続いて細胞性免疫のしくみについて説明しましょう。前回のテキストで、
細胞性免疫は抗体に関与しないと書きましたが、この理由もわかるはずです。
細胞性免疫の効果
医療の世界で『移植』という言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。
この移植には、自分の体の一部を別の部位に移植するもの(靭帯を切ったときなど)と、臓器のように他人の物を自分の体に移植する2タイプあります。
前者ですと拒否反応は起こりませんが、後者だと、
自分の体に合わなければ体が拒否反応をしめします。これがまさに細胞性免疫の効果です。
細胞性免疫のしくみ
そのしくみは以下のとおりです。
体内に異物が入ったと体が感知したら、体液性免疫と同じように
マクロファージがこれを捕まえ、その情報を
ヘルパーT細胞に伝えます。ここまでは同じです。
情報を受け取ったヘルパーT細胞は、
キラーT細胞と
リンパ球に
増えるように指示をだします。
リンパ球は
リホカインという物質を作るのですが、これはマクロファージに元気を与える物質です。一方でキラーT細胞は、体の細胞とは違うと認識した異物に拒否反応を示します。この拒否反応が、先程の移植の例で出てきた拒否反応そのものなのです。
以上が細胞性免疫のしくみです。
まとめ
2回にわたって体液性免疫と細胞性免疫のしくみについてみてきました。
どちらの免疫でも
ヘルパーT細胞が司令塔の役割をして、体に何をすべきなのかを指示していましたね。
ちなみに
HIVウイルスは、このヘルパーT細胞を死滅させてしまうウイルスです。ヘルパーT細胞が働くなってしまうと、体の免疫機能が働かなくなり、簡単にウイルスや感染症にかかってしまうというわけなんですね。
体液性免疫のしくみ
体液性免疫のしくみについては次のテキストを参照してください。
体液性免疫と細胞性免疫~体液性免疫のしくみ~