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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「ジンバブエ共和国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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ジンバブエ共和国

ジンバブエ共和国(以下「ジンバブエ」、英語ではRepublic of Zimbabwe)は、アフリカ大陸の南部に位置する共和制国家です。首都はハラレです。

このテキストでは、ジンバブエの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。

1. 国土:壮大な自然と豊かな資源に恵まれた大地

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ジンバブエ共和国は、アフリカ大陸南部に位置する内陸国です。国土面積は約39万平方キロメートル(日本の約1.04倍)で、北はザンビア、東はモザンビーク、南は南アフリカ共和国、西はボツワナと国境を接しています。

国土の大部分は標高1,000メートルから1,500メートルの高原地帯(ハイベルト)にあり、過ごしやすい気候が特徴です。東部には、国内最高峰のニャンガニ山(標高2,592メートル)を含む山脈が連なり、美しい景観を作り出しています。

ジンバブエを語る上で欠かせないのが、北部のザンビアとの国境を流れるザンベジ川です。ここには、世界三大瀑布の一つに数えられる「ヴィクトリアの滝」(モシ・オ・トゥニャ:「雷鳴のする水煙」の意)があり、その壮大なスケールは訪れる人々を圧倒します。また、南部にはリンポポ川が流れ、これらの河川は国民の生活や農業にとって重要な水源となっています。

気候は主にサバナ気候に属し、雨季(11月~3月)と乾季(4月~10月)に分かれます。ハイベルトでは年間を通じて比較的冷涼で、ローベルトと呼ばれる低地では高温になります。

ジンバブエは鉱物資源にも恵まれており、プラチナ、金、ダイヤモンド、クロム、ニッケル、石炭などが産出されます。これらの資源は、国の経済にとって重要な役割を担っています。


2. 人口と人種:多様な民族が織りなす文化のモザイク

ジンバブエの推定人口は、約1,540万人(CIA World Factbook, 2023年7月推定値)です。人口の大部分はアフリカ系であり、その中でもショナ族が約70%、ンデベレ族が約20%を占めています。その他にも、トンガ族、カランガ族、ヴェンダ族など、多様な民族グループが共存しており、それぞれが独自の文化や伝統を育んでいます。

都市部への人口集中も見られますが、依然として多くの人々が農村地域で生活を営んでいます。若年層の割合が高いことも特徴の一つで、今後の国の発展を担う重要な世代です。


3. 言語:16の公用語が響き合う多言語国家

ジンバブエの言語状況は非常に多様性に富んでおり、憲法で16の言語が公用語として定められています(ジンバブエ共和国憲法)。その中でも、英語、ショナ語、ンデベレ語が最も広く使用されています。

英語は、ビジネス、教育、行政の主要言語として機能しており、多くの国民が理解します。ショナ語は、ショナ族の人々を中心に国内の広範囲で話されており、多くの地方方言が存在します。ンデベレ語は、主にマタベレランド地方で話されています。

その他、チェワ語、チバルウェ語、カランガ語、コイサン語、ナンビャ語、ンダウ語、シャンガニ語、ソト語、トンガ語、トゥスワナ語、ヴェンダ語、コサ語、そして手話も公用語として認められており、これはジンバブエが文化的多様性を尊重している証と言えるでしょう。


4. 主な産業:鉱業と農業を基盤とし、多角化を目指す経済

ジンバブエの経済は、伝統的に鉱業と農業が主要な柱です。

鉱業

国の外貨獲得の重要な手段であり、前述の通りプラチナ、金、ダイヤモンドなどが主要な産出品です。特にプラチナの埋蔵量は世界有数とされています。

農業

多くの国民の生計を支える基幹産業です。主要な農産物としては、タバコ、綿花、トウモロコシ、サトウキビ、小麦などが挙げられます。特にタバコは、品質の高さで国際的にも評価されており、重要な輸出品目の一つです。しかし、天候に左右されやすいという課題も抱えています。

近年では、経済の多角化を目指し、観光業や製造業の振興にも力を入れています。サービス業もGDPに大きく貢献しており、特に卸売・小売業、運輸・通信業などが成長を見せています。

経済状況は、過去にハイパーインフレーションを経験するなど厳しい時期もありましたが、近年は安定化に向けた取り組みが進められています。国際社会との協調や構造改革を通じて、持続的な経済成長を目指しています。


5. 主な観光地:世界遺産から野生動物の楽園まで、息をのむ絶景の宝庫

ジンバブエは、数多くの魅力的な観光地に恵まれています。

ヴィクトリアの滝(モシ・オ・トゥニャ)

言わずと知れた世界最大級の滝で、ユネスコの世界自然遺産にも登録されています。ザンベジ川の水が幅約1,700メートルにわたって落差100メートル以上を流れ落ちる様は圧巻です。滝壺から立ち上る水煙は遠くからでも確認でき、その迫力と美しさは訪れるすべての人を魅了します。周辺では、ラフティング、バンジージャンプ、ヘリコプター遊覧など、様々なアクティビティも楽しめます。

グレート・ジンバブエ遺跡

11世紀から15世紀にかけてショナ族によって築かれたとされる石造りの都市遺跡で、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。「ジンバブエ」という国名も、この遺跡に由来すると言われています(ショナ語で「石の家」を意味する)。高度な石積み技術で建設された城壁や塔は、当時のアフリカ文明の高さを物語っています。

マナ・プールズ国立公園、サピサファリ地域、チュウォールサファリ地域

ザンベジ川下流域に広がるこれらの地域は、ユネスコの世界自然遺産に登録されており、手つかずの自然が残る野生動物の宝庫です。カバ、ワニ、ゾウ、バッファロー、ライオンなど、多種多様な動物が生息しており、カヌーサファリやウォーキングサファリなどを楽しむことができます。

ワンゲ国立公園

ジンバブエ最大の国立公園で、多種多様な野生動物が生息しています。特にアフリカゾウの生息密度が高いことで知られています。ゲームドライブを通じて、ライオン、ヒョウ、チーター、キリン、シマウマなど、サバンナの動物たちを間近に観察することができます。

マトボ国立公園

奇岩群と古代の岩絵で知られる国立公園で、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。バランスロックと呼ばれる奇岩が点在する独特の景観は、訪れる人々を魅了します。また、公園内にはサイの保護区もあり、サイの追跡ツアーも人気です。

これらの他にも、美しい山岳風景が広がる「東部高地(イースタン・ハイランズ)」や、国内第2の都市ブラワヨ近郊の「カミ遺跡」(ユネスコ世界文化遺産)など、ジンバブエには見どころが尽きません。


6. 文化:豊かな伝統と創造性が息づく芸術と生活様式

ジンバブエの文化は、多様な民族の伝統が融合し、独自の発展を遂げてきました。

音楽とダンス

ジンバブエの人々の生活に深く根付いています。伝統的な楽器であるムビラ(親指ピアノ)の音色は、ジンバブエ音楽の象徴とも言えます。また、力強いドラミングと歌、そして踊りが一体となったパフォーマンスは、祭りや儀式に欠かせないものです。現代音楽シーンも活発で、ジャズやゴスペル、ヒップホップなど、様々なジャンルの音楽が楽しまれています。

彫刻

ジンバブエを代表する芸術の一つです。特にショナ彫刻は国際的にも高く評価されており、石材の持つ自然な形や色合いを生かした独創的な作品が多く生み出されています。

工芸品

木彫りの置物、バスケット、陶器、ビーズ細工などが有名です。これらは、各地のマーケットで手に入れることができ、ジンバブエの文化に触れる良い機会となるでしょう。

食文化

トウモロコシの粉を練って作る「サザ」が主食で、肉や野菜の煮込み料理(リレンシェ)と一緒に食べられます。地域によっては、ピーナッツバターを使った料理や、ワーム(マドミニ)なども食されます。

宗教

キリスト教が最も広く信仰されており、人口の約85%を占めると言われています。その中でも、プロテスタントやカトリック、そしてアフリカ独自のキリスト教宗派などが存在します。伝統宗教も依然として人々の生活に影響を与えており、祖先崇拝の慣習などが残っています。

教育

力を入れており、初等教育の就学率はアフリカの中でも高い水準にあります。


7. スポーツ:国民を熱狂させるクリケットとサッカー

ジンバブエでは、様々なスポーツが親しまれていますが、特に人気が高いのはクリケットとサッカーです。

クリケット

旧宗主国であるイギリスの影響で広まり、ジンバブエ代表チームは国際大会にも出場し、強豪国と渡り合う実力を持っています。国内リーグも盛んで、多くの国民が試合観戦に熱狂します。

サッカー

国民的な人気スポーツであり、国内リーグには多くのチームが所属しています。ジンバブエ代表チーム(愛称:ウォリアーズ)は、アフリカネイションズカップなどの国際大会に出場経験があります。

その他、ラグビー、陸上競技、テニス、ゴルフなども人気があり、国際的に活躍する選手も輩出しています。


8. 日本との関係:経済協力から文化交流まで、深まる友好の絆

ジンバブエ共和国と日本は、1980年のジンバブエ独立と同時に外交関係を樹立して以来、良好な友好関係を築いています。

経済協力

分野では、日本はジンバブエに対して、インフラ整備、農業開発、保健医療、教育など、様々な分野で支援を行ってきました。これらの協力は、ジンバブエの国づくりと国民生活の向上に貢献しています。

貿易関係

においては、日本はジンバブエから主にタバコ、ニッケル、フェロクロムなどを輸入し、ジンバブエは日本から自動車や機械類などを輸入しています。

文化交流

も活発に行われており、日本の伝統文化やポップカルチャーがジンバブエで紹介される機会や、逆にジンバブエの音楽や芸術が日本で紹介される機会も増えています。人的交流も進んでおり、両国間の相互理解を深める上で重要な役割を果たしています。

在留邦人数は78人(2023年10月現在、外務省海外在留邦人数調査統計)、在日ジンバブエ人数は187人(2023年6月末現在、出入国在留管理庁統計)となっています。
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CIA World Factbook
世界銀行 (World Bank)
外務省
FAOSTAT

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